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第4話 如月怜隠は尊敬している

私の名前は麻倉桃花です。


現在高校二年生で新一とは出会って15年になります。家が近いこともあり、ずっと遊んでいました。そして恋をしてしまいました。ですが年を重ねる事に新一の性格は変わり、目にハイライトも消え、人を信用しなくなってしまい、私に対する態度も急変してしまいました。でも好きなものは好きなんです。


そんな時、ふみちゃんが部活に招待してくれました!新一と二人で部活!これぞ青春これから新一の事を元気にしてこの気持ちを伝えたい!


 「新入部員だ、仲良くするように。」


え?新入部員?いや、聞いてない聞いてない!新一とラブラブ二人部活が…。


いやまだ諦めるのは早い、男ならまだ青春がある!


「こんにちは、新しく部員として入ることになりました。《如月 怜隠》と言います。」


いやめちゃくちゃ女の子だし、この子毎回学年二位の容姿端麗、頭脳明晰の子だ…。勝てない…。ちなみに一位は新一。


「ああよろしくね!れおんちゃんでいいかな?」


「あ、はい、そう呼んでもらえたら嬉しいです。貴方は…?」


「ああ私は麻倉桃花!好きに呼んで!隣の勉強してるのが、大神新一だよ」


「大神新一…?」


彼女の顔が曇り目が見えなくなる。


「貴方が大神新一ですか…?」


「ああ、そうですけど。」


「…。てめぇかよ…。」


誰にも聞こえない声で囁く。


「ん?れおんちゃん?」


様子に気づき声を掛ける麻倉と、様子を先に気づいて察した大神。


「私の事知ってますか?大神さん。」


「知らない。」


端的に答える。


「…。定期考査毎回二位の如月です。貴方には恨みがあります。一つ目はどんだけ努力をしても大神さんには絶対に勝てないこと。二つ目は、そんなことも知らずに、私の事も知らないことです。」


「ただの逆恨みじゃ」


麻倉が言葉を発するのに被せるように大神が言う。


「申し訳ないけど、後ろには興味ないし、そんなに順位が気になるんなら俺は先生に頼んで、自分を順位に入れないように頼むよ。俺は順位には興味がないからね。勉強だってそんなためにあるわけじゃない。」


「そんな言わなくても…。」


麻倉が空気を戻そうと周りに声を掛ける。


だが関係なしに、声を上げて如月は言う。


「ふざけないでください!そんな事したら私は許しません!私は貴方を目標にしてたんです!今もしています!そして、いずれ貴方を抜きます!」


そう言い残し、如月は古典部の教室から逃げるように出て行った。


「れおんちゃん大丈夫かなー。それと新一!言いすぎだよ。」


「まあまあ、落ち着け。」


そう言い教室に入ってきたのは林先生だった。


「多分大神は人と比べてるようじゃその人の上には立てないってことが言いたかったんじゃないか?」


その通りである。ランチェスター時間の法則である。


その人と比べて、1.7倍やっても2.0倍やっても人の2.3倍やったら勝てるということ。


だが勘違いしないでほしいのは少なくとも俺は、あの女がいくら努力をして、時間を費やしても俺はその努力の倍も何倍も努力をしている。理由は違えど。




放課後になったので自分は身支度をし、外に出て、家に近いコンビニの前に来た時の事である。


「おい!女のくせに舐めた事してんじゃねえよ。」


「ほんとだよ!正義ずらしてんじゃねーよ」


なんか喧嘩している。というより、女を一方的にいじめているように見える。不良やヤンキーという生き物はダサすぎる。自分より強いものにはペコペコして弱そうに見える人には、一方的にいじめる。


「あ?コンビニの前でたむろっていびってんじゃねーよ。」


おおあの女よく言うな。それより俺が驚いたのはそこじゃない。あの女よーく見たらさっき部室にいた、如月である。さっきとはずいぶんキャラが変わっていた。


「あ?てめえに関係ないだろ‼」


男が暴力を振ろうとしていた。これ止めた方がいいのかな。


そんなことを考える前に如月が圧倒してしまった。


「女だからってなめてんじゃねーよ」


こいつ強、そんなことを考えていたら目が合った。


如月は少し間を置き、こちらを見て、顔が赤面していてあからさまに動揺していた。


「ああ!大神!いやこれは違くてそのあの」


「お前不良なのか?」


如月は誤魔化すのを諦めるように話す。


「不良ってより…初めは自分を守る手段だったんです。元父親に暴力をうけていたんです。そこから一人で暴力を学びました。ですがここの地元ではこういう人が多いみたいです。なので人のために暴力を使っています。」


俺と同じだ。俺も自分を守るために暴力を合法で学び、学力をつけたんだ。


「なるほどね、でもね如月、お前が思っているより人は屑が多い。」


「え?」


そう言い放つと後ろに寝そべっていたヤンキーが如月の背後からレンガのようなものを振りかざしている。


如月は声を上げて言う。


「大神!危ない!」


「だから俺は人を信用しない…。」


俺はレンガを二つに壊し、そのまま貫通しヤンキーの顔を殴る。


数発殴り、相手が気絶するのを確認する。


「大神…。」


怖がられたな。かまわない。親しい中でもないから。


「ありがとう。大神。お前強すぎじゃないか?なにか格闘技でもやっているのか?」


「昔はそれくらいしかなかったので」


自分を守る手段は暴力しかないと考えていた。


「それにしてもそんなに殴る事あったんですか?もう動きもしてませんよ。」


「大丈夫、生きてる。こいつはレンガでお前の頭を勝ち割ろうとした。こういう社会の屑はその先の事を考えないんだよ。もしお前の頭を砕いても、逃げればよい、虚言吐けば良いとしか考えていないんだよ。」


「思ったより、感情がないんですね、てより恐怖心が欠如してるんですね。」


「言い過ぎではないか?とりあいずケガがなさそうでよかった。」


とりあいず如月を家に送った。


如月声を上げて言った。


「このことは内密に頼みます。学校では優等生なのでばれたら色々とめんどくさいので。」


「ああ。分かった。だがなんでそこまで、優等生キャラを守るんだ?」


「その方が学校で浮かないので、大神君とは違ってね。」


「…。なるほどな、敵対視してることは分かった。」


「もうこの辺家なんで大丈夫ですよ。ありがとうございました。」


「そうか、気をつけて帰れよ。」


「あ、あと一つ。」


「なんだ?」


「人の事信用できないならペットでも飼ってみたらどうですか?ペットは裏切りませんよ。」


「…。じゃあな」


ペットか。動物は好きだ。特に犬が好きだ。柴犬や秋田県が大好きだ。近頃ペットショップにでも行ってみよう。



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