幼馴染の恋は片道切符
| 10年前
「お母さん…?お父さん!あ母さんは?なんでいないの?ねえ!」
「…。ごめん。あ母さんはもう帰ってこないんだ」
「なんで?」
「…」
8年前
「新一、これからはおばあちゃんと暮らしなさい」
「…わかった。」
⁇年前
「これからは一人暮らしをしなさい。金銭の手当てはするから。」
「わかりました」
中学で初めての彼女ができた。名前は楠野純恋くすのすみれ。純粋で優しく内向的な自分にも気さくに話してくれて告白をされ付き合った。
ここまでは自分を求められている感覚で幸せだった。
「本気であんたのこと好きだと思っていたの?」
ああ俺は馬鹿だな。学ばずに人を信じるからまた裏切られるんだ。
楠野さんは俺の前に現れることはなくなった。
もう誰も信じない
もう誰にも期待をしない
もう…。誰も俺に期待しないでくれ。
これが俺の結論だった、みんな、元母親も元父親も元祖母も元恋人もみんな俺に「愛してる」と言っていた。ただ全員俺を裏切った。
俺はピアスを開けた、左に一つ
俺がこのような目に合うのは、俺が舐められるのが悪いと考えたからだ。
開けた日以降、誰も俺に近づく人はいなくなった、一人を除いて
成績は悪くないがピアスを開けてる馬鹿に、教師も呆れていた。
ただ、この教員免許を持っただけの人間も屑だ。
中学生の頃、俺はいじめられていた。
理由は他愛もないことで、俺が両親もおらず、基本一人だったからだ。
その時の担任は俺を見て見ぬふりをし続けていた。
机を荒らされて落書きされても
靴に落書きをされてゴミ箱に捨てられても、教師は無視をした。
これで自殺したら、「学校では一人でも楽しそうにしてました」とか言って適当をこく。だから信じない。期待もしない。
俺は煙草に逃げた。勿論犯罪だし、屑がすることだ。
ただ俺は早く大人になりたかった。そして少しでも現実苦痛から逃げたかった。ただ一人だけ俺のそばにいてくれる子がいた。俺が両親がいなくても、いじめられててもそばにいてくれる人がいる。理由は分からないがいつでも味方でいてくれる。