3 影の共犯者
指紋を解析することで特定の特徴を掴んだ俺は、そのまま防犯業者が使用していたツールの出所を探ることにした。
「この形状…普通の工具じゃないな。」
指紋とともに浮かび上がった工具の跡が、一般販売の製品とは異なる特注品であることを示していた。
俺はこの工具が購入された可能性のある店舗を訪ねるため、市内の専門業者を回り始めた。
工具店の一つで、ついにその工具が販売された記録を見つけた。店主によると、購入者は長身で帽子を深く被り、顔をほとんど隠していたという。
「客は毎回現金払いだったな。それと…なんだか手つきがプロっぽかったよ。」
その情報を基に、防犯カメラの記録を確認すると、該当する男の姿が映っていた。だが、映像の解像度が低く顔の特徴までは分からない。男は工具を慎重に選んでいる様子で、無駄な動きを一切見せていなかった。
「これは…かなり訓練された動きだな。」俺は呟いた。
さらに映像を確認すると、男の服に付着していた微かな汚れが目に留まった。それは建設現場などで使われる特殊な塗料だ。
俺は塗料の情報を元に、市内の建設現場を訪ね歩いた。そして、ついに一致する塗料を扱っている作業員を見つけた。その作業員の中に、映像に映っていた男がいた。
「やっぱりお前が共犯者か。」俺は男に向かって言った。
男は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻して言い返してきた。
「証拠があるなら出してみろよ。」
俺は懐から魔石を取り出し、笑みを浮かべた。
「証拠ならここにある。」