登場人物と目次
【登場人物】(総勢40余名。●は主人公、◎は重要人物、〇は重要な脇役)
[鮨屋菊川周辺]
●幾世 洲崎遊廓前囀新道にある鮨屋菊川の娘
お鉄 菊川の雇女
◎虻の群八 幾世の継父。元技夫で画家、役者
◎根越万兵衛 菊川の隣の煙草屋の旦那。好色な金貸。通称ネコ万
爺さん 菊川の父。幾世の育ての親。物語中に死去
●峰桐太郎 英国留学から帰国した高輪の富豪の次男
●三浦柳吉 下谷根岸に住む男やもめの浮世絵絵師
神戸の社長さん 上二人の知人
水兵 菊川の客
〇書生 菊川の客。新美術家。名は間鍋順介
[深川周辺]
●お船 深川の橋の化け物を演じる夜鷹
〇彦造 夜鷹の用心棒。桶彦
木内甚右衛門 救世軍の若者
〇橘吉兵衛 高橋の大工
◎観星堂如海 浄玄寺に寄宿する易者。実は倫理学者大沢晴観でお船の父
[鶴兼周辺]
〇鶴賀小兼 弁天町の引手茶屋「鶴兼」の七十歳近い老主婦
お鹿 鶴兼の大柄な女中
〇菊川 幾世の亡母。辰巳の廓の遊女。本名お衣
菊川を身請けした若い男
菊川の金主になった富農の男
[男爵家周辺]
◎大間久一 男爵。柳吉が所属する丹青倶楽部の審査員
大間絹子 大間男爵の妹。峰桐太郎との縁談がある
小宇田 書画骨董商兼、丹青倶楽部委員
〇青野 丹青学校教授の画伯。丹青倶楽部審査員。通り名は茄子丸
[稲村周辺]
●お京 京子。佐賀町の大問屋、稲村の末娘
お京の父母 稲村の当主夫妻
その他、老主人、姉、叔母などの親族
〇お常 稲村の使用人。お京付きの年増の女中
松吉 稲村の小僧。松どん
その他、中番頭(渾名、三略)、若い衆たち
[その他、峰家、浄玄寺などで登場、言及される人々]
絹子 峰の妹
取り次ぎの老人 峰家の執事かと思われる使用人
五竜 新道を出て平久町に住む占い師
稲村の中番頭 渾名、三略
映念 浄玄寺の新発意(小坊主)
野毛 根越万兵衛の手下
稜巌 浄玄寺の方丈。大和尚
人形町のお秀、宗右衛門町のお管、槙町のお村、照降町のお銀
【主人公たちのキャラクター】
・幾世………社会的な弱者でありながらも崇高な心を持つ薄幸のヒロイン
・お京………気高く諸芸万端、しかしでしゃばらず、心優しい富豪のお嬢様
・お舟………世間のモラルに反逆するかのように、刹那的に生きる妖婦
・峰桐太郎…知力、武術、財力に優れ、常に冷静沈着な実業家
・三浦柳吉…腕のいい絵師ながら、頽廃の気質に呑まれていく破滅型の男
【目次】
1 新道(一~二節)
夜鷹(三~五節)
翡翠玉(六~十四節)
挿櫛(十五~十九節)
青い花(二十~二十三節)
2 露台(二十四~二十七節)
鶴の紋(二十八~三十五節)
両国橋(三十六~三十八節)
3 番附と茄子(三十九節~四十四節)
4 さまよい(四十五節~五十節)
釣船(五十一節~五十五節)
二階の姿(五十六節~五十八節)
5 応接室(五十九節~六十三節)
片輪車(六十四節~六十八節)
6 宵月(六十九節~七十六節)
露の袖(七十七節~七十九節)
玉あらそい(八十節~八十六節)
荒寺(八十七節~八十九節)
7 水鳥(九十節~九十六節)
8 組皿菊皿(九十七節~百四節)
瞳(百五節~百十四節)
9 桟橋(百十五節~百二十六節)
10 客殿(百二十七節~百二十八節)
初円髷(百二十九節~百三十三節)
通う神(百三十四節~百三十八節)
怨霊(百三十九節~百四十二節)
11 絵蝋燭(百四十三節~百四十九節)
余話(百五十節)