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掌編

ゆめのなかで

 

 きょうはわたしのたんじょう日だった。ケーキをたべて、くまさんのおにんぎょうをもらった。


 たのしい一日だった。 


 おかあさんが「おやすみ」と言いながらわたしのおふとんをなおしてくれた。


「おやすみなさい」


 と返すと、おかあさんはへやのあかりを消してくれた。それからもう一度、


「おやすみ」


 と言って、しずかにへやのドアをしめた。


 目をとじると、あっという間にねむりにおちた。


  ※


 おとうさんの声がきこえてくる。その声が大きくなると、


「ひまり、たんじょう日、おめでとう!」


 と言って、とつぜんわたしをだき上げた。


「大きくなったな、ひまり」


 そう言いながら、わたしのかおをほほずりした。


 おひげがちょっといたかったよ。


 おとうさんがわたしをゆっくりおろすと、にっこりわらいながら、


「もう、行かなきゃ」


 とバイバイと手をふった。


 わたしもバイバイと手をふり返した。なみだがポロリとおちた。


「……」


 おとうさんのすがたがぼやけてきて何を言ってるのか、よくわからなったけれど、とってもうれしかった。


 そして目がさめた。


  ※


 朝ごはんを食べているとき、おかあさんにおとうさんのゆめを見たことを話した。


「こんどの日よう日、おとうさんのところに行きましょうね」


「うん」


 わたしがうなずくと、おかあさんはやさしくほほえんでくれた。



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― 新着の感想 ―
[一言] 家族みんなで過ごせたら良いですね^_^
2023/12/20 16:12 退会済み
管理
[良い点] おとうさんはどこにいるのかな、と不思議に思いました。 涙が出るくらいなかなか会えない……ひげなどの感覚が夢なのにある……というところから、天国にいるのかなと思ったり。 感想欄も読ませていた…
[一言]  この作品読ませて戴いて、こわっ❗❗  と思ったのは私だけでしょうか。  だってお父さん、生きていたら問題無いけど、もし亡くなっていたら、とても怖い展開になります。  そこが狙いなのかも、と…
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