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二巻(十九)
雲行き(七)
薔薇園[執政府]の控え室で待っていたラシウ[・ホランク]がサレに近づき、刀を渡した。
「かわいらしいお嬢さんだが、どなたかな?」とバージェ候[ガーグ・オンデルサン]がサレにたずねてきたので、剣聖[オジセン・ホランク]にラシウを養子にさせたいきさつを手短に伝えた。
候は目を見開いて少女を凝視したのち、「さすが剣聖のご息女だけある。少女とは思えぬ殺気だ」とラシウを評した。
候の言を受けて、サレは自分を見上げるラシウをたしなめた。
「ほら、いつも言っている通りだろう。おまえは殺気を隠せていないのだ。修行が足りないのだよ」
「それならば、先ほどの様子を見るに、おまえも精進が必要だな」
笑いながら、ラシウの代わりにサレへ返答したのち、候は少女の頭をなでた。
それから、「先ほどの話だがな。よく考えておいてくれ」と言い残すと、候は護衛を連れて、場を去って行った。




