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二巻(十二)

コステラ=デイラ(十二)

 一度拾ったのだから、最後まで責任を取らせるべきだとサレは考え、剣聖[オジセン・ホランク]にラシウを養子にするように迫ると、老人は簡単に受け入れた。


 その剣聖は、自らの流派を()(せつ)(りゅう)と称していた。

 朝、目が覚めた時に、頭の中にできるだけ色鮮やかな花を想像させ、それを斬らせることを修行の一環としていたため、そのような名をつけた。

 その花折流の開祖は、何よりも型を重視していた。

「我流は我流であるが故に(かたな)(さば)きが結局型にはまってしまう。なるべく自由な刀技を身につけるには、できるだけ多くの型を覚えることだ」

 そのため、サレとラシウ[・ホランク]は、毎朝、頭の中の花を斬ったあと、型の稽古をするのが日課であった。


 ラシウがサレ家の一員になったその翌朝から、型の稽古をふたりで行うようになっていた。

 しかし、それだけではいけないので、ラシウには型の稽古と朝食を済ませたのち、オーグ[・ラーゾ]から読み書きを学ばせた。

 ラーゾ村から連れて来たオーグは、少し乱暴者という話であったが、それはかまってやる大人がいなかっただけであり、サレの屋敷にいるうちに、すっかり生来のすなおさを取り戻していた。

 文のほうでは、もともと読み書きはできていなかったが、今ではラシウに教えられるほどになっており、武のほうでもオントニア[オルシャンドラ・ダウロン]の従者として初陣を済ませていた。

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