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二巻(四)

コステラ=デイラ(四)

 鹿()(しゅう)(かん)を辞去したサレを待っていたのは、借金取りたちであった。

 父ヘイリプが軍費として、おそらくその一部は塩券の購入に当てられたであろう借金の委細について、商人たちは恐るおそる、借用書の写しを手に説明した。

 ホアラに保管されていた借用書にはない借金もあったが、借用書の写しを見ると父の花押が記されていたので、ノルセンは借金の存在をすなおに認めたうえで、資財がないことを明らかにした。そして、とりあえずは利息だけを払っていく旨を告げたところ、商人たちはあっさりとそれを認めた。

 金を貸した者の多くが、コイア・ノテの乱に絡んで死に、生き残った者たちの少なくない者が払うそぶりを見せない中、利息だけではあったが払う意思を見せたサレは、彼らから見てめずらしい存在であったのかもしれない。

 サレは目の前の商人たちをながめて、コイア・ノテの乱後、都がひどく荒れたときに、全員死んでくれていればよかったのにと思いはした。しかし、借金の相手が生きている以上、家名を守るため、どうにかして金を返していかなければならなかった。できるならば、サレ自身の力のみで。

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