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一巻(十八)

西征(十八)



 ホアラを目指す四日目の昼。

 村落を見つけたサレは、ゼヨジ・ボエヌだけを供に連れて交渉へ出かけた。

 笑顔の村長は、代金を払うから泊めてほしいというサレの申し出をすんなりと受け入れ、ボエヌと細かい交渉に入った。

 「やっと一息つけますな。それではみなを呼びに行きましょう」と笑顔のゼヨジに促され、サレは村の外に出た。

 そして、村人たちの姿が見えなくなると、ボエヌはサレに向かって、「急いで先に進みましょう」と強い口調で進言した。

「あの笑顔か?」

「はい。それに交渉もこちらのほぼ言いなりでした。私たちを生かしておくつもりはないということでしょう」

「村人たちを片付けるなど造作もないことだが、それも益のないことだ」

 サレは村の方を振り返り、「彼らの気持ちもわからないでもないが……。ちゃんと代金は払うし、悪い話でもないように思うのだが」と残念がった。

「あきらめましょう。しかし、どこかでしっかり休まないと、そろそろ本当に限界ですよ。ろくなものを口に入れていない」

 「食い物か」とサレは空を見上げながら、ずいぶんと間延びした声でつぶやいた。

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