前へ目次 次へ 11/322 一巻(四) 西征(四) 盛夏[八月]二十五日、ノルセン・サレは馬ぞろえに参加し、そのまま父の指揮する兵二千とともに、近西州のオスピーニェ(※1)を目指した。 サレ家の家紋である花麦をあしらった軍旗を、アイレウン・サレが高々と掲げながらの出立であった。 近西州にて、大公から貸与された兵一千、近西州の豪族ソルジエ・コミラの兵二千を合わせ、サレ軍は合計五千で、遠西州進攻軍の一角を担う予定であった。 ※1 オスピーニェ 近西州西管区所属の都市。