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潜夢士  作者: 藤咲 乃々
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ウニ

修復ってどのくらい時間がかかるんだろう...

みんな元気にしてるかな。

私がいなくても叶人達がいるから何とかなっているだろう。


朔夜は...笑えているだろうか。

そんなことばかりが頭の中をぐるぐると埋め尽くす。



〈ねえ、胡蝶は?〉

そういえば、ここに来てから胡蝶の姿を見ていない。

いつも白い世界には死神と胡蝶が揃っているはずなのに。


《あやつは元々兄のもの。ここまで深くは入れぬ》

相変わらずこちらを向こうともしない死神。


そんな死神を放置して、ランニングでもしようと日本家屋の庭に立つ。

身体が鈍るのを防ぐためには少しでも動いた方がいい。


《やめておけ》

私の頭の中を見透かしたようなタイミングで制止がかかる。

〈なんで?〉

寝そべったままの背中に問いかけた。


《意識だけ動くと余計に身体が追いつかなくなる》

〈...?...あ!〉

死神は私が目を覚ました後の話をしていた。


意識下では元気なものの、生身の体は眠ったまま。

つまり、ここでトレーニングしても筋力は下がっていく。

逆にここでトレーニングすることで目覚めた時に身体が意識について来れず、ズレが生じるのだ。



《動きたいのならアレの相手でもしておけ》

死神の指差した先には黒いトゲトゲした物体がいた。


白い世界に死神と胡蝶以外の生き物を初めて見た。

〈すごい、ウニみたい...〉

近づいて触ろうと手を伸ばす。


《触れるな!!》

背中の方から大声で叫ばれてビクッと身体が揺れて手を引っ込めた。


〈え...なに?〉

振り返ると、死神は膝を立てて不機嫌そうに私を見ていた。


《触らず倒せ》

〈武器もないのに?〉

《......》


無言で何かを投げて、また背中を向ける死神。

渋々投げてきたものを拾いに行く。


落ちていたのは拳銃。


普段使う機会の多い剣とかの方が扱い慣れているのに...

縁側にある無防備な背中を睨む。


そんなに身体を動かしたらダメなの?

麻子みたいに片手では上手く撃てないから両手で銃を構え、浮いているウニを撃つ。


変なところに当たっても三発、上手く当たれば一発で倒せる。

一発の弾で倒せるように狙いを定めるけど狙ったところに弾が飛ばないから難しい。



ただ黙々とウニを撃つ時間が続いた。


ウニも次々に湧いてきて弾丸も無くならない。

ほぼ一発で倒せるようになった頃には80体ほどのウニの山が出来ていた。


《もう十分だ。繋がりが修復された、戻れるぞ》

待ったことに変わらないが、意外と早く起きることができそうだ。


〈どうやったら戻れるの?〉

《“眠れ”》

死神に唱えられると瞼が重くなり勝手に閉じた。

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