表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
潜夢士  作者: 藤咲 乃々
87/121

目覚め

まるで一つの物語を聞いているかのようだった。


「俺だってあなたと契約できるなら命を賭けれます!」

先頭の男を筆頭に契約を交わすために必死な男達。


「娘はそれを5つでやった」

衝撃的な言葉に男達のみならず俺も息を呑んだ。


死神と名乗った“それ”は淡々と昔話をした。

八神さんは自らの命を差し出してまで妹の命を守ろうとしたらしい。


「自分の命を差し出す5歳...」

「興味がそそられぬ訳なかろう?」


俺は5歳の時に何をしていただろうか...

なにも考えず暮らしているそこら辺にいる普通の子どもだった。

死が怖いものとしか考えたことがない、ただの少年。


八神さんの幼少期はそんなにも過酷なものだったのだろうか?


「死神、八神さんは...」

「おい小娘!そろそろ起きろ!こっちの世界は疲れて敵わん。小娘!」


死神に言葉を遮られた。

八神さんを起こそうとする死神を見て、男がクスリと笑った。


「無理ですよ。そいつは「黙れ。無理かどうかは私が決める」」


「さっさと目を覚ませ...チッ」

椅子から勢いよく立ち上がると死神は俺の前にやって来た。


「小僧、支えろ」

「え?」

それだけ言って、いきなり目の前でガクッとバランスを崩した八神さんの身体。


「え⁉︎八神さん⁉︎」

咄嗟に支えて地面に座りこむ。


「......」

返事はないが、八神さんの目から涙が流れた。

長い睫毛をフワッと揺らしながら八神さんは目を開けた。


「...八神さん?」

ゆっくりと瞬きを繰り返す八神さんに声を掛けた。


「中邑くん...無事でよかった」

俺を苗字で呼び、いつもの優しい笑顔で笑っている。

死神じゃない間違いなく八神さん本人。


「ありがとう、もう大丈夫」

八神さんは身体をゆっくり起こして立ち上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ