鍵
◇◇◇
ゲートから大きな魘魔が2体現れた。
「俺が手前をやる」
「じゃあ、奥で」
隣にいる朔夜が手前の魘魔を選んだので、私は必然的に奥の魘魔を相手にすることが決まった。
使っていた剣を離すと勢いよく地面に突き刺さった。
代わりに首に掛けているクラシック調の鍵を手にする。
私達の武器は特別仕様で新人や他の隊員とは作りが違う。
科学班が研究を重ねて強い魘魔から作った魘具と言うもの。
そして、それを扱えるのは師団長クラスのみ。
鍵を開ける時のように回すと、本来の武器の形に戻る。
『香織、こっちは終わった』
「了解」
叶人の報告と同時に魘魔が出て来ていたゲートが閉じていく。
夢現者との繋がりが断たれた証拠だ。
しかし、現実に残った魘魔はゲートと共に消えてはくれない。
◇◇◇
私はそれをただ見ることしかできなかった。
朔夜が日本刀、八神香織は大鎌。
それぞれ武器がいきなり出現した。
そして八神香織はなぜか宙に浮いていて、奥の敵に向かって飛んでいってしまった。
朔夜も敵に向かって歩き出した。
「無理よ、あんな敵」
中学校の校舎ほどある大きな魘魔。
人間になんて恐怖すら抱いていないだろう。
1人で飛び込んで行くには無謀すぎる。
魘魔の前まで同じスピードで行き、刀の柄を片手で持つ。
次の瞬間、魘魔は真っ二つになっていた。
太刀筋なんて全く見えなかった。
「分かった?朔夜が出来損ないなんかじゃないってこと」
いつの間にか八神香織が私の隣に来ていた。
隣は隣でも地面に足が着いていない。
「あんた、敵は?」
「ん?倒したよ」
八神香織が指した方を見ると首と胴体が綺麗に切断された魘魔の身体が転がっていた。
魘魔よりこの人達のほうがよっぽど
「化け物...」
「よく言われる」
その後、魘体の回収作業が行われ私達は支部に戻った。




