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潜夢士  作者: 藤咲 乃々
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科学支部

数日後、科学支部内に立っていた。

機本に科学部を案内させようと思い早めに来たが、なかなか司令官の椅子を離れようとしない。


「いいから早く交代して。あ、それはこっちに持ってきて!」

相変わらず重たい物は持たせてもらえないので隊員に特攻部から機材を運んでもらった。


科学部の物を触るメリットはないし、使い慣れた物の方が仕事に支障が出ないという意見が出たからだ。


「くれぐれも変なところに触れてくれるなよ」

「はいはい」

どの口が言ってんだか...


やっと機本が出て行き、機本の席に私の荷物を置いた。

結局、時間が無くなって案内させることはできなかった。


科学部には司令官室がない。

その分、開発室や研究室にお金をかけていると獏さんが言っていた。


「みんな、科学部の建物内探検してきていいよ」

機材の設置も終盤になり、1人でもできそうなので自由行動の時間。

私は仕事内容の最終確認でもするとしよう。


「俺も手伝うよ」

声をかけてきたのは第四師団の福本啓太。

通称、福ちゃん。


「1人でもやれる量だから大丈夫よ?」

「やっちゃん1人だけに押し付けられないよ」

福ちゃんはベストオブいい人。


怪我ばかりするけど腕は確かで第四師団の副師団長。

今年24歳だけど結婚してて奥さんは出産を控えている。


「ありがとう、じゃあお願いしようかな」

「辻ちゃんから監視しとけって言われてるからね」

「アハハ」

みんなの目が無くなるからやっと鎌を振り回せると思ったのに...

朔夜のせいでそれも叶わなそうだ。


怪我から明日で3週間が経つ。

順調に完治へ向かっているが麻子との合同出動以来、出動の指令が私のところには来なくなってしまった。


行こうとするとみんなが横取りしてくる。

だから、ここ最近はレベルの低い悪夢の担当ばかりでそんなに身体を動かすこともなかったのだ。



「そういえば、赤ちゃんの性別もう分かったの?」

「うん、女の子だった!」

幸せそうに頬を緩ます福ちゃん。


「楽しみだね〜」

「不安なこともあるけど早く会いたいよね」

私達の仕事は昼夜逆転で、いつも死と隣り合わせだ。

そんな中で幸せな報告を聞けるのは嬉しい。


「やっちゃんは結婚願望とかないの?」

「私は...ないかな。今は仕事で忙しいし」


2年前、結が暴走して多くの人生を壊した。

命を落とした人やその家族の人生を...

その原因を作ったのは私と言っても過言じゃない。


「私の手の届く範囲にいる人達の幸せを見届けてから、ね」

せめて周りの人が幸せになってからでないと自分の幸せは考えられない。

朔夜や獏さんには悪いけど...


「そっか、辻ちゃんの結婚もまだ先か...」

「そうだね...え?」

ニマニマと私の顔を見てくる福ちゃん。


「それどこ情報?」

「話してる時に辻ちゃんがポロッとね」

本人からか...

それは言い逃れも出来ないな。


「それ幹部も知らないからね」

「え、そうなの⁉︎それは重要機密だ」

この前の食事会では中邑くんと莉子ちゃんにはしっかりと口止めをした。

だから、もし噂が流れたら犯人は福ちゃんということになる。


まあ福ちゃんだから大丈夫か...


科学部での昼間の仕事は殆どなく、特攻部で終わらなかった報告書などの書類の確認が捗った。

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