血の雨
気づけば死神が目の前にいた。
《最初から全力で行けばいいものを...勿体ぶるからこうなるんだ。早く起きろ、死ぬぞ?》
意識が飛んでいたが死神の嫌味で意識を取り戻した。
私が倒した魘魔の山の上に叩き落とされたみたいだ。
動かない魘体に囲まれている。
急いで身体を起こす。
隊服のおかげで身体にとりあえず問題はなさそうだ。
「痛...なりかけのくせにレベル5並みじゃん」
咄嗟に鎌と左腕を盾にしたため左腕に痛みはあるが、動かせないほどではない。
『香ぉ...!こ...おわ...た!』
さっき受けた攻撃で壊れた通信機から誰かの声がかろうじて聞こえた。
ゲートを確認すると跡形もなく消えている。
魘魔達が私を目掛けて集まってきた。
吹っ飛ばされたからレベル4との距離もかなりある。
「死神...100...」
ピアスとブレスレットの制御装置を外してポケットに突っ込み、死神に命令する。
鎌を二振りして周りの魘魔を一掃した。
左腕の痛みに対する怒りで力が上乗せされて、そのままレベル4の元へ行く。
さっきと同じように宙を蹴り、魘魔の首を切り地面に着地した。
魘魔も片手で首を守っている。
しかし、死神の力を最大まで引き出した攻撃を片手で守り切れるはずもなく、指がストンと降ってきた。
不思議そうに落ちた指を見つめる魘魔。
そして、首も大きな音と衝撃と共に地面に落ちた。
戦闘の嫌なところは潜夢の時のように魘魔が消滅しないところ。
しかも綺麗に切断すれば問題ないが、今回のように力が入り過ぎて断面が歪めば
「...赤い雨が降る」
魘魔の体を流れる液体が噴出して辺りを赤色に染める。
ここ最近、被ることもなく済んでたのに...
怒りに身を任せちゃいけないってことか。
通信機が壊れたから連絡ができない。
支部に戻って回収業者呼ばないと。
鎌を鍵に戻し、駐車場にあった自動販売機にバクの絵が描かれたコインを入れる。
ドリンクが表示された液晶画面が暗くなり、すごい音を立てる。
白い光を放ち始めたのを確認して自動販売機の画面の中に入った。




