オーラ
◇◇◇
「朔夜!なによあれ⁉︎」
「なにって、お前が見たいって言ったんだろ?」
とは言ったが愛菜が驚くのも無理はない。
長年一緒にいる俺達ですら死神の禍々しいオーラは見慣れない。
全てを呑み込まれてしまうと錯覚するほどの真っ黒なオーラ。
その中にも凛とした強いものを感じるのは香織が意思を強く持っているからだろう。
香織が的に向かって鎌を振った。
目で見えただけでも3回は的を切っている。
一体、あの細腕のどこに身体と同じくらいある鎌を振る力が入っているのか疑問だ。
香織は鎌を鍵に戻しながら歩いてくる。
俺は剣に触れて身構えるが、新人達は呑気に感嘆の声を上げている。
香織が暴走するかもしれないって考えすら頭にないんだろうな...
距離が縮まるにつれて変な緊張感が高まる。
「えっ!」
大きな声がした方を見ると的は首、胸、腹、大腿、下腿に分断されていた。
「4回かよ...」
ハッとして香織の方を見る。
「こんな感じでよかった?」
余裕のある声から暴走はしていないと悟り、剣から手を離して小さく息を吐いた。
不思議そうに見つめてくる香織にピアスとブレスレットを渡した。
◇◇◇
朔夜から渡された制御装置を着けながら声を張る。
「ちょっと早いけど授業終了。午後からは叶人の規定についての授業だから遅れないように」
授業を終わらせて訓練場を出ると、猛烈な眠気に襲われる。
フラッとしたところを朔夜に支えられた。
「おいおい、普段ならまだ寝てる時間なんだから気をつけろよ」
「ふふ、ありがとう」
朔夜の腰に手を回す。
「早く戦闘したい」
「合宿なんてあっという間に終わるよ」
みんなのいる休憩室まで歩いた。




