決着
◇◇◇
準決勝で負けた俺達は四辻林田ペアを応援する気持ちと、八神さん達を応援する気持ちの間で揺らいでいた。
今までのペア戦では盛り上がりを見せていた。
しかし、特別試合はみんなが息をするのを忘れるほど速くて静かだった。
八神さん達は言葉を交わさなくても連携が取れていて、気づけば位置が変わっていた。
四辻愛奈と八神さんの木刀がぶつかり合うのを見ていると、そのうち四辻愛奈の右足首の的も赤に染まった。
「中邑と莉子ちゃんは惜しかったな」
声を掛けてきたのは、いつの間にか西宮の隣に来ていた四辻師団長。
「え、試合は...?」
「ん」
四辻師団長が指した方を見ると全ての的が点灯している林田が大の字で倒れていた。
「加戦しなくていいんですか?」
「してもいいけど、盛り上がってるところに水差すのは野暮でしょ。それに結構楽しんでるみたいだしな」
そう言って四辻師団長は八神さんを優しい目で見つめていた。
恐らく、盛り上がりを感じているのは試合をしている本人達だけだろう。
目で追いつくだけでもやっとの攻防だが、八神さんは笑っていた。
「「わぁ...」」
歓声が上がり2人は向かい合って立っていた。
よく見ると四辻愛奈の首の後ろが赤く光っている。
八神さんはパッと顔だけでこっちを見た。
「朔夜」
「ん?どうした?」
八神さんの呼びかけに微笑んで反応する四辻師団長。
「ごめん」
と言うと身体を俺達の方に向けた。
そこには胸の的が青く光った八神さんの姿があった。




