兄妹ですか⁉︎
◇◇◇
真白の声がした方を見ると見覚えのある2人がいた。
「中邑くんと莉子ちゃんだ」
「あ、例の?」
風真は勘づいたようだ。
「入学早々、規定破って謹慎くらった子達ね」
新人をイジって楽しんでいる蘭。
「私、女の子の方に見覚えあるかも〜」
「それ僕も思うたんや。なんでやろ?」
麻子と真白は莉子ちゃんのことを覚えていない様子。
「当たり前でしょ?叶人の妹なんだから。ね、叶人」
「「「ええ!」」」
そんなに驚くかってほどびっくりしているみんな。
よく見ると似てるから気づきそうだけどな...
「...お前、分かってて俺の師団にしたな?」
もちろん、分かった上で莉子ちゃんを第一師団に配属した。
「アハ」
「あのなぁ...」
「兄妹水入らずということで」
どうやら叶人が怒っている理由はどう扱っていいのか分からないから、らしい。
「本人に聞いてみたら良いじゃない。ここにいるんだし」
蘭の言葉で莉子ちゃんに注目が集まる。
「わ、私ですか⁉︎」
「君以外に叶人の妹いないでしょ」
「風真、もうちょい優しゅう言うたり」
真白に宥められた風真が肩をすくめる。
「私は...今のままでいい。特別扱いなんかしないで」
「分かった」
「たまに、お兄ちゃんって呼んでもいい?」
頬を赤く染めた莉子ちゃんのかわいいお願い。
叶人がどんな反応をするのか見ものだ。
「...2人の時だけならな」
「うん!」
あの叶人がまさかのデレ...
伊弦といい、叶人といい、兄というものは妹に弱い生き物なのかもしれない。
新隊員と師団長という間柄、なかなか喋る機会がなかったので2人はプライベートな話をし始めた。
「仲良きことは美しきかなってやつですなー」
「香織、妬いてるの?かわいい〜」
麻子に茶化された。
「そんなんじゃ...いや、妬いてるか」
「は?」
朔夜の低い声が聞こえてきたが聞こえなかったことにする。
別に叶人と話している莉子ちゃんに妬いている訳ではない。
「...隣にお兄ちゃんがいて、話せるってことに妬いてる」
何度祈ったことだろう。
しかし、何度願っても伊弦が帰ってくることはない。
「そんなことより!中邑くん達はあんなところで何してたの?」
しんみりしてしまった空気を戻すように明るく振る舞う。
私のせいでみんなが暗くなるのは好きじゃない。
「あ、自主練に来ました!師団長達が中にいたので見てたらみつかって...」
「なるほどねー」
初日は誰も練習に来ないと思ってたのに読みが外れた。
「さすが、香織ちゃんに弟子入りするだけあるね」
弟子入りを申し込まれた時、あの場にいた宗が話を掘り返した。
「そうなの!え、香織の弟子⁉︎」
「いやいや、断ったから」
「俺より歳上の弟子とかやめてよ?」
「だから取ってないって」
麻子は異常に反応してるし、風真に至っては気にするところが違う気がする。
こうなるから弟子入りの話とか嫌だったんだよ。




