所属先
◇◇◇
2日後、配属先が紙で張り出された。
今日から訓練に参加できる。
「お、第一師団だ」
「私も、なんで...」
西宮も俺も一緒に第一師団。
あと何人か同期がいるみたいだ。
「だから!なぜ私が第五師団であの馬鹿そうなのが第一師団なのかって聞いてんの!」
「いや、俺に言われても...」
近くにいた隊員の胸ぐらを掴んで女が騒いでいた。
「多分あんたのことよ」
「え、俺⁉︎」
人のことを馬鹿そうなんて、失礼なやつだ!
「責任者を呼びなさい!」
一番被害を被ってるのは、胸ぐらを掴まれている隊員だということは間違いない。
「はいはーい。そこまで」
いつの間にか出来ていた人だかりが波のように引き、道ができた。
同年代くらいの若い隊員が開いた道を堂々と歩いてくる。
「俺のとこの隊員、虐めないでくれる?」
「団長〜」
掴まれている隊員はその人を見て安心したような声を出した。
「今、団長って...」
「あれは第七師団の七尾師団長。最年少で師団長になった人よ」
西宮が説明をしてくれた。
どう見たって同年代にしか見えない。
「ちなみに今何歳?」
「17のはず」
俺より1つ年下⁉︎
「今、君が掴んでるの一応先輩だからね?いるんだよね、所属先が気に入らなくて駄々こねるやつ」
ため息混じりに女に話しかける七尾師団長。
「なんの騒ぎなの?」
七尾師団長の後ろから女の人が現れた。
「五十嵐団長!」
五十嵐と呼ばれた女の人は周りに手を振ってから、七尾師団長に話しかける。
「いつもの?」
「そう。いつもの」
「あー面倒は嫌なのよ。せっかくいい気分でうちの子達呼びに来たのに」
五十嵐師団長もため息を漏らした。
「あれ、蘭さんのとこに入る隊員だけど?」
「え、」
五十嵐師団長は手に持っていた名簿をめくる。
「うわ、ほんと。辻の妹らしいわよ」
「え!辻さんとは大違いだな...」
「ああ、朔夜のこと?あいつは愛人の子だから出来損ないなのよ」
まだ隊員の胸ぐらを掴んでいる女は嫌味ったらしく言った。
その後ろにちょうど八神さんが居合わせた。
『...!』
『やば...』
2人の師団長が少し慌てている。
「へー。君...名前は?」
八神さんは表面上は笑っているが目が笑っていない。
「四辻愛奈だけど。あんた誰よ?」
女の言葉に動いた七尾師師団長と五十嵐師団長。
八神さんが手を挙げて2人を静止する。
「相当自信がおありのようで…じゃあ勝負しようか」
「は?」
「この辞令、私が決めたの。君が勝ったら行きたい師団に移動できるってのはどう?」
「いいわ。恥をかいたって知らないわよ」
さっきとは打って変わり、にっこり微笑んで八神さんは辺りを見渡す。
「あ、叶人ー。決闘するから訓練場貸してー」
「...分かった」
第一師団の訓練場が近いらしく決闘が行われることになった。




