私の願い
「それで今に至る」
司令官には師団長を指名できる権限がある。
私はみんなに側にいて欲しかった。
「だから真白のことも勝手に副司令官にさせてもらった、ごめん」
獏さんには許可はもらってたから嫌がっても強制的に任命してたけどね。
「いやっ、ええ話やな...」
目の前の真白は泣いていた。
この人、こんなに涙脆かったっけ?
「ん、待ちや」
「なに?」
今度はスンと真面目な顔になる真白。
情緒がどうなっているのか心配になった。
「香織は今、死神と胡蝶の2体と契約しとるてことやんな?」
「うん」
「身体に影響ないん?」
痛いとこついてくるな...影響、まああるよね。
「身体能力が上がって...力が少し強くなったかな」
身体能力が上がったのは本当の話。
動体視力とかが良くなって、身体も軽くなった。
力が強くなったのも本当だけど、強くなり過ぎてしまったの方が正しいかもしれない。
◇◇◇
「......」
この顔は嘘ついてる時の顔や。
ま、ええけど。
上が強いに越したことはない。
「それは置いといて、私は全てを奪ったナイトメアを潰したい」
彼女の目には強い覚悟が宿っとる。
その目に何人もの人が魅せられてきたんやろな...
悔しいけど、僕もそのうちの1人やったりする。
「乗った。僕も伊弦くんには世話になったし、結までやられてるんや。仇打つしかないやろ」
「ありがとう」
覚悟の宿った目もええけど、香織はやっぱ笑顔が一番似合うとる。
朔夜が羨ましくなるわ。
2人とも気付いてないと思うてるみたいやけど、僕からしたら丸分かりやで。
気付いてないフリしたるんやけどな。
◇◇◇
「そうそう、あっちはどうだった?」
昨日は説明ばっかりで関西のことは聞けてなかった。
「こっちに比べて人少ない分、敵さんのレベルは弱かったんやけどタチが悪いね」
住む地域によって人柄も変わるのと同じで、魘魔のレベルや特徴にも違いが出てくるのか...
新人研修で話せそうな内容だ。
「せっかくだし真白にも新人合宿に出てもらおうかなー」
「ええで〜」
言質いただきました。
「やった〜!来週からだからよろしくね」
青褪めた顔の真白は自分が失言したことに気づいた様子。
新人合宿も楽しくなりそうだ。




