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潜夢士  作者: 藤咲 乃々
27/121

就任

結の暴走、レベル5の魘魔によって特攻部は甚大な被害が出た。


死者13名、負傷者29名

死者の中には当時の師団長が5人も含まれていた。


八神家の名に傷がつくと、両親はこの事件を裏で握り潰した。



喪に服す余裕もなく、次の日は獏さんが何年かぶりに指揮をとった。


『次の司令官は香織に任せたいと思っている』

伊弦の後釜に選出されたのは私だった。

結を暴走させた原因かもしれない人間に司令官をやる資格なんてない。


『私に司令官をやる資格はありません...』

『伊弦も言っていただろう?お前は人の上に立つ素質がある』

ここで伊弦の名前を出してくるのはずるい。


『...考える時間をください』


獏さんと話を終えた後、寮の部屋にいた。


『......』

《おい、客だ》

窓の外から街の風景を眺めていると死神の声が聞こえた。


〈なんで聞こえる訳?〉

《それだけお前の精神が不安定ということだろう。それより早く寝ろ》


「はあ」

部屋に戻り眠ると、死神と仙女のように綺麗な人がいた。


〈なんで人の夢に女連れ込んでんの?〉

《私の女ではない》


《初めまして八神香織。私は伊弦と契約していた胡蝶と申します》

胡蝶という名は伊弦から聞いたことがある。

だが、普通は契約者が死ぬと契約魘魔も消滅するはずだ。


《伊弦よりあなたに伝言を預かっています》

死神の方を見ると、頷かれたのでどうやら本物のようだ。


まず、結の暴走はナイトメアという組織によって人為的に起こされたということ。

ナイトメアを極秘で調査していたが、司令官にならないと情報は手に入りにくいらしい。


結の魘魔を倒すのは難しいため、制御しきれない魘力を胡蝶に吸収させたこと。


《そのため私を託した、と》

〈ん?託した?〉

私には死神がいるし、2体の魘魔と契約した人なんて聞いたことがない。


《私も反対したのですが、香織なら大丈夫だろと...》

なにが大丈夫だ。

そんなことしたら私も暴走するに決まってる。


《最後に“幸せになれ”と》

〈はぁ...なにそれ〉

断るつもりだったが最後の一言で気が変わった。


〈結局、全部伊弦の思い通りじゃん〉

ナイトメアのことを伝えたのは私を司令官にするためで、胡蝶を託したのも私が死ねない状況を作るため。


〈あんたはいいの?〉

一応、死神にも意見を求める。


《いいぞ。その方が楽しそうじゃないか》

ニヤニヤと笑っている死神。


〈分かった、伊弦の望み通り全部引き受ける。胡蝶は私でいいの?〉


《伊弦が認めたあなたなら、喜んで》

胡蝶が差し出してきた手に暴走しませんように、と願いながら手を乗せた。


次の日の朝

目を覚ますと手に鍵を握っていて、死神の鍵に藤色の宝石が付いていた。


夢だと思っていたものが本当に起きたことなのだと実感する。


鍵を首にかけて部屋から飛び出した。

行き先はもちろん、獏さんのところ。


『その顔は答えが決まったようだな』

『はい。司令官の話、慎んで引き受けます』



伊弦の死から2日後、2月17日

異例ではあるが特攻部司令官、八神香織が誕生した。

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