謎の男
◇◇◇
「新人研修は去年と同様で」
資料を読みながら幹部室で会議を行なっている。
「科学部が来る1週間は私と各師団の隊員数名を1つの隊として昼間の業務にあたる」
叶人が手を挙げた。
「なに?」
「香織だけ負担が大きすぎないか?」
たしかに、今の生活とは真逆のスケジュールの1週間になっている。
「私達も香織と1日ずつ交代しようか?」
麻子の提案は嬉しいが...
「ありがとう。でも師団はいつでも動ける状態にしときたい。それに新人研修の後だから大丈夫」
科学部もいる上に普段の仕事もこなさなくてはならないから、みんなの方が大変だろう。
私も指示が出せないから、さらに誰かに負担がかかってしまう...
ピピピッピピピッ
通信機の呼び出し機能が働いた。
「ごめん、ちょっと出てくる」
幹部室から出て応答する。
「はい、八神」
『香織に電話きてるよ』
今の時間は1800くらいだったはず。
電話相手の見当がつかない。
「繋いで」
電話に出たのは予想外の相手だった。
◇◇◇
香織が呼び出されてから数十分ほど経つが、未だに帰って来る気配がない。
「香織遅くない?なんか問題発生したのかな?」
風真をはじめ、みんなが心配し始める。
「様子見てくる」
会議室を出ようとすると勝手に扉が開いた。
「お、叶人や。どっか行くん?」
「お前...」
目の前にはここにいるはずのない男がいた。
「「「え⁉︎」」」
「みなさんお久しゅう。元気そやな〜」




