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潜夢士  作者: 藤咲 乃々
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緊急会議

翌日、昼間に緊急召集された。

今回は両支部の司令官だけでなく、幹部にまで召集がかかった。


「昨日の昼、大変だったって?」

本部の廊下を歩いてる時に問いかけてきたのは、昨日休みだった蘭。


「なんで知ってんの?」

「風真に愚痴られた」


風真は授業潰されたからな...ちょっと納得。


「今日の召集も昨日のことについてでしょ〜?」

「多分ね」

麻子と蘭が嫌そうな顔をしている。

今回は科学部が来るから無理もないか...


科学部に女性職員はほとんどいない。


いたとしても相当な科学オタクか、特攻班の強気な隊員で科学部の男は相手にもされない。


今から会う幹部も男ばかりで女に飢えているため、熱烈な視線が送られてくる。


蘭は美人系で麻子はかわいい系だから、まあモテる。


会議の内容そっちのけで2人を見てるくらいだ...

まあ、私は見向きもされないから関係ないけれども!


「ねえねえ、今日むっちゃん静かじゃない?」

「確かにそうね」

「あー、私が礼央に怒ってるからだね」

昨日のうどん屋以降、言葉を交わしていない。


「じゃあ、仕方ないわね」

「またなんかやっちゃったか〜」

昔からの仲なので2人とも理解してくれている。



集合時間の15分前になったので会議室の扉をノックする。

どうぞ、という返事を聞いてから扉を開けた。


普段来ることのない会議室なので新鮮だ。

科学部はまだきていない様子。


「毎回出勤前に召集してすまないな」

「気にしないでください」


「香織は一昨日も見たが、みんなも元気そうで何よりだ」


獏さんは私達の師匠。

小さい頃から戦い方を叩き込まれてきた。

座るよう言われて、長机に一列に座る。


昔話に花を咲かせているとドアがノックされ、みんな一瞬で静かになる。

さっきまでの和やかな雰囲気が嘘のようだ。



「どうぞ」

獏さんの一言でクソ眼鏡を含めた科学部がゾロゾロと入ってきて、私達と向かい合うように座った。


私の目の前に機本が座るが、いつもの偉そうな態度は微塵も感じられず心なしか顔が青白い。


「この中で召集された理由が分かる者は?」

特攻部は全員が手を挙げたが、科学部は誰一人として手を挙げない。

いや、機本が弱々しく手を挙げている。


「香織、報告を」

獏さんに指名されたので昨日の出来事を報告する。


「昨日1430、中区の高校にてレベル2の悪夢が出現。居合わせた八神、四辻、七尾で応戦し科学部に通信したところ、」


機本の方を見ると目が合ってしまい、気まずくなる。


「続けて」

「...出張のため司令官不在。混乱により科学部は機能せず、特攻部の橘により情報を確認」


獏さんがどんな表情をしているのか気になり報告書から顔を上げてみると、なんとも険しい表情をしていた。


「戦闘を四辻、七尾、如月。潜夢を八神が行い、死傷者なし。以上です」


私達が対応していなければ、今頃本部の周りはマスコミに囲まれていたことだろう。

恐ろしい話だ。


私がゲートの中に生身で入ったのも問題だけど、機本不在の方が問題視されているため今のところお咎めはない。

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