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潜夢士  作者: 藤咲 乃々
115/121

日本刀

◇◇◇


『四辻師団長、八神さん。武器の弱点が分かりました』

中邑くんから通信が入った。

北小路の武器を避けながら距離を取る。


「いいよ、言って」

『光と力に弱いと書かれてました』

光は死神のおかげで分かってたけど、力は予想外。

朔夜も予想外だったようで2人で顔を見合わせる。


『北小路の狙いは八神さんです、逃げてください!俺達が代わりに戦います』

「...ありがとう、でもごめんね。北小路は譲れないや」


私の中から胡蝶の怒りを感じる。

2年も探してきた敵討ちを邪魔する権利は私にはない。


「光は朔夜がいるし、力は私がやればいい。2つの弱点で叩けばどんなに強くても壊れるんじゃないかな」

朔夜にはどうしても付き合ってもらう形になるけど、そこはお願いしよう。


「私が逃げ出したらダメなんだよ。私は司令官だからね」

国民のために潜夢士がいて、その隊員を守るために私がいる。

私に課せられた仕事の1つはどんなに強い敵でも倒すこと。


「情報ありがとう。後は私達でなんとかするから。2人も他の隊員と合流して避難誘導頼んだ」

『八神さん!』

2人が叫んでいるのが聞こえたが無線のチャンネルを切り替えて声を遮断する。



「ということで朔夜のことは逃がしてあげられないや」

「いいよ。元々そんなつもりないから」

朔夜は光をまとった日本刀を構え、いつでも行けると目配せしてくる。


〈胡蝶、力を貸して〉

持っていた鎌が日本刀に変わる。

胡蝶と伊弦の魘具。


胡蝶の力の特徴は身体能力強化。

動体視力が格段に上がり、鞭の動きがゆっくりに見える。

日本刀で北小路の鞭を弾く。


「なぜ弾かれる?」

「当たり前でしょ?2人分の怒りが籠ってるのよ」


「...2人?」

鞭を使い出してから初めて北小路と目が合った。

目から生気を感じない。

さっきまでは普通だったのに...


あの鞭に吸い取られてるって考えた方が無難か。


「そうよ、私と胡蝶の2人分...」

話しかけている途中に北小路の目の色が変わった。


「...おい女、美味そうな魘力をしているな。この身体は喉が渇いて仕方ない」

あれは北小路じゃない。

北小路の中にいるものが話しかけてきた。



《乗っ取られたな》

「え?」

《自業自得だ。あの男の魘力では持った方だろう》

目の前の現状に追いつけていない中、死神の解説が聞こえてくる。


《あやつの魘力は高いとは言え、小娘と比べれば天と地ほどの差がある。あそこまでの魘魔を集めることが出来たのも大方、お前の兄の血を使ったのだろう》


聞き捨てならない言葉が聞こえた。

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