表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
潜夢士  作者: 藤咲 乃々
112/121

現実

目を開けると、現実に戻ってきていた。

さっき見ていた映像がより鮮明で五感が加わったような感覚。


「香織!」

朔夜の声で北小路の鞭が迫っているのに気づいた。

私に向かって伸ばされた手を掴むと引き寄せられ、鞭に当たらずに済んだ。


「ありがとう。あと、お待たせ。戻ったから」

「え、香織⁉︎おかえり」

最初は驚いた表情をしたが微笑んだ朔夜。


「戻って早々悪いけど作戦とかあったりする?」

「あの武器を壊して北小路を捕える。朔夜には鞭の方を頼みたい」

ピアスとブレスレットを外してポケットに収めて伸びをする。


「北小路は?」

「...あれは私が倒さなきゃいけない相手」

北小路を睨みつける。


「了解、」

普通の人なら理由を尋ねてくるはずだ。

しかし、それが当たり前であるかのようにスルーをして返事をする朔夜に私が戸惑う。


「理由とか聞かないの?」

「言いたくないから言わないんでしょ。なら今は聞かない」

この先も理由は言わないかもしれないのに、私が言うと信じきっている顔だ。

私の理解者過ぎて笑えてくる。


「...ありがとう」

「ん、何か言った?」

「なんでもない。とりあえず無事に帰るよ」

2人で武器を構え、飛び出した。



◇◇◇


一方、その頃

「あったぞ」

「これが北小路の家...」

西宮と特攻部の寮とは別のBAKU所有のアパートにいた。


四辻師団長が教会に突入してから作戦変更が言い渡された。

八神さんが相手をしている“北小路”の家を俺と西宮の2人で探ってくること。


教会にいた北小路という男は今まで見てきたどの敵よりもヤバいと感じた。

本人よりもその武器に...


八神さんと死神とは違って冷や汗が出るほどの恐ろしさと、本能で危機感を覚えるほどの禍々しさ。


「西宮、四辻師団長に言われたこと覚えてるな?」

「うん」

危険だと感じたら迷わず逃げる。

これを約束させられてここに来ている。


「入るぞ」

一見普通のアパートの一室だが北小路が生活しているという事実があるため緊張感が走る。

2人で武器を構えて玄関の鍵を開けた。


北小路の部屋はシンプルなものだった。

しかし、1つの部屋だけは異質な空気に包まれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ