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潜夢士  作者: 藤咲 乃々
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代役

◇◇◇


今日の特攻部は立て込んでいる。


病院にいたにも関わらず“教会跡地で戦ってる人がいる”と通報が入り、直行している最中だ。

第一師団に入った仕事だが、叶人は使い物になりそうもないので俺が代わりに向かっている。


通報はさて置き、結は戻ってきたのに香織が戻って来なかったのが気になる...


「四辻師団長⁉︎なんでここに?」

教会跡地の前に着くと、第一師団は揃っていて叶人待ち状態。

第一師団の連中が驚くのも無理ない。

叶人が来ると思っていたところに他師団の俺が来るなんて誰も思わなかっただろう。


「叶人はちょっと取り込み中でな...今回の任務は俺が指揮を取る。よろしく」

「「はい!」」

それにしても...


「派手にやってんな...」

教会の中から眩い光と共に衝撃でガラスの破片が飛び散っている。


「とりあえず戦闘している人物を確保する。俺が中の様子を見るから合図したら突入な」

「「「了解」」」


教会の塀を飛び越え窓から中の様子を窺う。

中は土埃が舞っているので奥がよく見えないが、見覚えのあるものが一瞬目の端に映った。


「百合、香織が今どこにいるか調べたりできる?」

『通信機の電波をたどれば可能だと思うけど』


「今すぐ調べてほしい」

気のせいだと嬉しいが香織の鎌が見えた気がした。


『あーいるね』

「どこに?」

『教会の中』

さっきのは見間違いではなかったということか。

なぜ教会にいるのかは分からない。

しかし、香織が戦闘しているとなると話が変わってくる。


基本、香織は出動や訓練以外での戦闘はしない主義だ。

指令も出ていないのに戦闘しているということは重大なことが関わっているのだろう。


「作戦の変更を伝える。合図と共に中邑、西宮、俺の3人で突入。他の隊員は近隣住民の避難を最優先とする」

『中邑と西宮ですか⁉︎』

いきなり叶人の代わりを任されたので第一師団の強さが分からないのだ。


「そうだ。2人は俺のところに集合」

その点2人とはこの間まで一緒に極秘任務をしていた経緯がある。

その際に香織が暴走した時の対処法を教えておいたのだ。


見た感じまだ暴走はしてないにしても、香織の中には2体の魘魔がいる。

香織の精神力が強いのは知っているが何かの弾みで暴走すればこの地域一帯は更地と化すだろう。


「朔夜くん」「四辻さん」

2人が集合し俺の隣にしゃがみ込む。


「来たな。百合、俺達はいいから今橋達に指示出してやって」

『了解』

避難の方は百合に頼んだから大丈夫だろう。

問題はこっちの方。


「2人を呼んだのは中に香織がいるからだ」

意外にも驚いていない様子の2人。


「まだ暴走してはない。暴走した時の対処法は覚えてるな」

「「はい!」」

しっかり目を見て返事が返ってきた。

いきなり呼んだにも関わらず度胸のある2人だ。


「よし、行くぞ」

窓から教会の中に飛び込んだ。

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