表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/139

また別の日のジロー 


 このところ尻だけでなく体の至るところに視線を感じる思春期ジローです。


 鬼の里に厄介になってから一年程が経ちました。長かったようで、短かったような……つまり……体が超痛い。


 何をしていても体のあちこちが痛いのよ。なんだかメキメキ言ってる気さえする。ここの里の巫女はレベルが低くて話にならないから、里の薬師、お薬屋さんに薬を貰って凌いでます。


 痛み止めと治癒促進剤って感じかな。塗りはじめてから更に悪化したような気もするが……この痛み……多分、成長痛って事なのかも知れない。


 一年前と比べて僕はとても大きくなったから。十才児から中学生位までニョキニョキ伸びた。体もがっちりした気がする。


 もうショタなんて言わせない!


 僕はこれから……俺になる!


 ……とまぁ、そんな感じで体が痛いの。もうね、夜寝るのがキッツいレベル。睡眠薬で誤魔化して無理矢理寝てたりする。


 多分抑え込まれてた反動で一気に成長してるんだろうけど……自分の体からミキミキと音がなるのはちょっと怖い。痛みを紛らわすように修行に打ち込んだりしてるが……体のバランスが狂ってるからいまいちしっくりこないのだ。


 そりゃ、小学生低学年から中学生までニョキリと伸びたんだから体の重心もクルクルパーになってて……しかも日々ニョキニョキで調整も追い付かないっていうね。


 もう、嬉しくてヒャッハーだよ。


 このまま二メートル越えるかなぁ、ワクワク。現実的には、パパンと同じくらいが限界だと思うけど、それでも百八十位までニョキニョキ……ぐふふ。


 体の痛みも、そう考えれば耐えられるものさ。


 ……まぁ、それはいいんだよ。些細な問題だから。まさか自分でも己の成長より深刻な問題が現れるとは思わなんだ。これは……ある意味僕の人生で最大級のピンチだ。


 大袈裟かもしれない。でも今の僕にとっては致命傷になりうる事態なんだ。本来であれば当然の事なのかも知れない。健全な成長の証なのかも知れない。


 女性の体にこんなにもムラムラする事がなー。


 やっばいの。もう、すっごくやっばいの。鬼の里の女性って露出多い上にみんな美人で……ムラムラが止めどなく溢れてくるのよ。前世でもこんなにムラる事なんて無かったのに……もう、二の腕とか太ももとか……くわっ! まにはからったちんげんさい!


 ……はぁ、はぁ、煩悩というか性欲がすごいの。赤ちゃんの頃から女性には慣れたつもりになってた。でもそれは勘違いだったみたい。もう手を繋ぐとかマジで無理。匂いで反応してちょっと事案になりそうだし。


 これが……このエロ男爵な僕が……きっと本来の僕なんだろうけどさ。


 ダイゴローに魔力を全て渡してからまるで堰を切ったように溢れだした性欲。性欲って生存本能って言うよね。種の保存と言うか。


 つまるところ……僕は死を感じすぎたんだろう。本能がここまで働くまでに。


 ……僕はどれだけ死に慣れてたんだか。死線の側に居すぎて壊れてしまったんだろう。魔力による魂の歪みが無くなって……堰を切ったように溢れた本能というか情欲……と言えればいいのに。


 でもこれって節操無しのエロエロな煩悩でしかないんだよ。


 もう守備範囲が広すぎて自分が恐ろしい。下は幼女、上は熟女とストライクゾーンが広すぎだぁ! 僕、頑張らないとマジ逮捕案件だよ!


 ……ふふ、そうさ。僕はロリコンで熟女イーターでもあるのさ。ふふふ、もう認めるさ。己の性癖をな。悪食で強欲、それが僕の本性だってな!


 あ、でも幸いな事に男には反応していない。そこの所、ホッとしてます。うん、尻とか見ても全然平気。ムラっともしないね。あとおばあちゃんにも反応しない。熟女がオーケーなのに。どこかで線引きがあるっぽいけど本能ってよく分かんないや。


 という訳で僕はこの里で煩悩と戦い続けているんだ。ムラムラをどうにかするために修行に打ち込んで……気付いたらもう一年経っていた。


 ……びっくりよ? ホンマにびっくりやで? 


 しかも最近は里の女衆の視線が、とってもねちっこいの。あれはきっと情欲の視線。僕が慣れ親しんだ女の性欲だ。ショタの時は簡単に対処出来たが……今は無理。むしろこっちが押し倒したい。押し倒して、骨の髄まで……まにはからったちんげんさいぃぃ!


 はぁ、はぁ、はぁ、なんて手強いんだ。これが本能……。僕が失いかけていたものか。村を出て本当に良かったと今なら思える。こんな状態で僕に好意を持つ女の子がすぐ側に居たりしたら……僕は我慢できる自信がない。もう行けるところまで行っちゃって大家族になっていた事だろう。


 ……む? 別に……いいのか? いやいや! 性欲に支配された状態でそういう事するのは違う! 僕は素面で愛すると誓ったんだ。こんな僕を好きと言ってくれたあの子達を…………。


 ……あれ? 僕……ちゃんと好きと言われた事……あったっけ? 


 あったような……体だけ求められたような……精神的なもの……中身を求められた事は……もしかして……無い……かも? 


 …………まにはからったぁ! ちんげんさいぃぃぃぃぃぃ! 




 こうして二年目の鬼の里、僕は更に修行へと打ち込むことになった。なんか他にも出来ることは全部した気もするが……ムラムラとの戦いで覚えてないや。ムラムラ強い、ムラムラ最強。


 あと鬼の里の女性ってみんな奥ゆかしくて助かった。押し倒されることもなかったし。僕が暴走しかける事は何度かあったが超頑張った。刺されることも……そういえば無かったし。鬼の方が穏やかってどうなんだろう。



 今回はおやすみなのー。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ