始まりの始まり
最近暑い日が続いていますが、今日の晩ご飯はハンバーグです。
ーーー陰陽師(おんみょうじ、おんようじ)は、古代日本の律令制下において中務省の陰陽寮に属した官職の1つで、陰陽五行思想に基づいた陰陽道によって占筮及び地相などを職掌とする方技(技術系の官人。技官)として配置された者を指す。 中・近世においては民間で私的祈祷や占術を行う者を称し[1]、中には神職の一種のように見られる者も存在する。
なお、本来は「おんようじ」と訓んだが現代は専ら「おんみょうじ」と訓まれ、これは「おんようじ」が連声化して「おんみょうじ」となった(「陰」は中国語中古音で「*ʔi̯əm」、中世日本語音で「*wom」なので、連声化するとま行の音になる)ものとされ、また「おんみょうじ」と先頭を強調する発音が定着しているが、かつては「おんみやうぢ」と2音目に揚音があったと言われている[要出典]。ーーー
「いっけね〜、遅刻遅刻〜」
彼の名は清水崇敏、陰陽師を目指す陰陽師学院中学三年生。今日は彼にとって待望の陰陽師高校の試験日だ。陰陽師高校は日本陰陽師会が運営するエリート陰陽師の登竜門、つまりここに入ることができれば一流の陰陽師になることは確約されたも同然なのだ。
試験開始時間は9:00、しかし現在の時刻は8:50。そう、遅刻寸前なのである。
「次の角を曲がればすぐそこだ!」
そう言い角を曲がった瞬間、後ろから忍び寄る影が現れる。
ーーグサッ
「ガ、グラァァぁあ!」
彼はあまりの痛みに奇声を発し、その場に倒れ込んでしまう。彼の頭に走馬灯が呼び起こされる。
(あぁ...俺は死ぬのか......陰陽師に..なりたかったなぁ...)
腹部から大量の出血。崇敏、瀕死の危機。
彼は自分で自分の死が近づいていることが分かってきたようだ。
次第に意識が遠退く崇敏、そっと目を閉じる。
享年14歳、崇敏の短くも儚き人生の幕が下されたッ!!
「こちら壬。ミッションコンプリート、目標の排除に成功しました」
『了解、直ちに帰還せよ。今日の晩ご飯はハンバーグだ。』
「今日はハンバーグ。」
通話を終えた彼の携帯式神のディスプレイには老け顔の男が映し出された
ーー靖水崇敏、陰陽師学術院中学4年生
ーー(あれ、なんか違くない?)
男が姿を消そうとした時、それを呼び止める者が一人。
「壬、陰陽師ともあろう者が隠密行動とは、感心しませんね。」
「全く、これではハンバーグが冷めてしまうではないですか、ハンバーグがッ!」
この状況を高みの見物する者が一人、二人、三人と姿を現していく。
「これからは我らの時代だ」「ふざけた事をッ!」「様子見と行きますか」「ここはまだ耐え忍ぶとき」
『フォッフォッフォ、皆さん揃ったようで。さてこの中の誰が陰陽王になるのか、たのしみですなぁ』
ーー世はまさに大陰陽師時代。木、火、土、金、水、(もく、か、ど、ごん、すい、金は「きん」でなく「ごん」と読ませる)の五行の各家がしのぎを削り、陰陽王を目指す物語が、はじまーーーーーーーー
「ってたまるかあああああ」
ーーーーー暗殺されてしまった崇敏、彼の人生は幕を閉じたかに見えた。しかし、彼が目を覚ますと。そこは天国でも地獄でもなく、のどかな田園風景が広がっていた。。。
さあ仕切り直しといこうか!俺の名は清水崇敏、先ほど殺された一般陰陽師見習いだ。
「もう心の整理はついたかね?崇敏くん」
「つくかボケ!」
「感心しませんねぇ、そのような言葉遣いは」
「ハッ!? あれ、俺また何か言っちゃいました?」
おっと無意識の内についつい叫んでしまった。だってしょうがないだろ?目の前にいる胡散臭そうなこいつがあの陰陽師界の神、安倍晴明だっていうんだからな。
「何度も言いますがアンダーワールド(異世界)で新しい人生を始めるのです、君は。変えられないことなのですよ、これはもう。」
「貴様の子孫の身代わりにされたこっちの身にもなってほしいのだが?俺は陰陽の道を極める。こんなことで予定を潰されてたまるか!早くこのアンダーワールド(異世界)とやらから元の世界に戻せ!!」
「陰陽の道を極める手段はあるのですよ? アンダーワールド(異世界)にも。それではまたどこかで会いましょう」
「え、ちょ、おま、まだ聞きたいことがーーー」
ーーそれと同時に眩い光が崇敏を包み、次の瞬間には晴明は姿を消していたのだった。一人、異世界に放り出された崇敏、彼の運命やいかに!
寝冷えしてお腹崩しました。