第6話老人の力と謎の男
「そういえば」
「ん?」
「あなたは何で国に追われてるんですか?」
「ああ…」
オールドマンの家に向かう途中東山が質問をする
「簡単に言えば国家反逆罪じゃよ」
「国家反逆罪?何でですか?」
「それは…少し長くなるがいいか?」
「大丈夫ですよ、どうせこの夜道を歩く時間暇ですし」
「じゃあ話すわい」
そうしてオールドマンは話を始めた
「昔わしはリベリオンの団長での、リベリオンは知っとるか?」
「はい、確か国家直属の組織でしたっけ?」
「そうじゃ、そしてわしはそのリベリオンの団長じゃった」
「え!?あなたが!?」
驚いた声で東山が叫ぶ
「うるさい、わしは追われてるんじゃぞ、見つかったらただじゃすまない」
「す、すみません」
「まあ話に戻るがその頃のわしはギラギラ輝いとった…」
「じゃがとある事件が起きてしまったんじゃ」
「とある事件?」
「その頃のハジマリ王国の王である17代目ハジマリ王が暗殺されたんじゃ」
「え…」
「それのせいでわしが守らなかったからとか言われて、それで抵抗しちまって、国家反逆罪で団長の座から追われることになった…」
「…とこれが追われてる理由じゃな」
「……」
東山はとてつもない過去を聞いて黙り込んでしまった
「なんか…大変なんですね…」
「気にすんな、そろそろ家に着くぞ」
そうして歩き続けていると
「じいさん!金おいていきな!」
若い男が東山たちの前にナイフを持って立ちふさがる
「ほう…最近被害が出てる「かつあげ」というやつじゃな」
「うるせー!とっとと金をおいてけ!」
「貴様なんぞに渡す金なんぞない」
そういいオールドマンは目にもとまらぬ速さで若者の近くに近づきナイフを吹っ飛ばし、一瞬で若者をとらえた
「いでででで!!」
「どうする?このまま右腕をへし折られるか?」
「ひいいーーーー!!すみませんーーー!!!!許してくださいーーー!!!!」
「ちっ…」
オールドマンは舌打ちをした後若者の拘束を解き
「もう二度とこんなことをするなよ」
「は、はいーーーーーーーー!!!!」
そういい若者は暗い夜道に消えていった
「す…すげえ…」
「どうじゃ?これがわしの実力じゃ」
「あなたの話は嘘じゃないんですね」
「そりゃそうじゃ、でなきゃストロング、イノセント、エナジーに技なんか教えられんわい」
「そういえばここがわしの家じゃ」
指がさす方向にあったのは道場と同じような和風の家だった
「ここの二階を使ってもらって構わないから、さあさあ入って入って」
そうして中へ入り
「あの…」
「うん?」
「一人で暮らしてらっしゃるんですか?」
「まあな」
そんな話をしながらオールドマンはてきぱきと料理を作っている、そして
20分後
「ごちそうさまです」
「よし、今日はもう寝よう、上に布団とか用意してあるから」
「あ、ありがとうございます」
そうして東山は二階へ行き、布団の上にばたっと倒れてぐっすり眠ってしまった、そして…
「うーん…」
気がつくと東山は白い空間にいた
「気が付いたか」
「おまえは?」
話しかけてきた男は、フードをかぶっており顔が見えなかった
「俺はお前だ、お前は俺の一部であり、すべて」
「何のことだ?、俺はお前なんて知らないし、俺は一人しかいないぞ」
「じきにわかる…だが今は、自分に与えられた使命を果たせ」
「使命?」
「は?お前忘れたの?」
「何のことだっけ…」
「ああもう!魔王を倒すことだよ!!」
「ああそうだった、ありがと」
「ったく…とりあえず、お前は銃と刀を駆使して魔王を倒すんだな」
そうしてその男はスーッと消えてしまった、それと同時に東山の意識は闇に落ちてしまった…
続く…