第5話訓練と妖刀
「妖刀ってなんだ?」
「まあ…簡単に言えば呪われた刀だ」
「そうなのか?こわっ」
東山はストロングの問いに鬼丸龍丸が妖刀と聞いての驚きと動揺を隠しながら答える
「この妖刀は…どんなものなんですか?」
「正確には呪われているというより、何かがとりついているように感じるわい」
「なにかが?」
「この妖刀…いや鬼丸と龍丸にはそれぞれ鬼丸には火を操る鬼、龍丸には氷を操る龍がとりついているようじゃ」
「そうなんですか?」
「ああ…今はまだ無害じゃが、血を吸うごとに刀の中の鬼と龍が力を増し、お前の魂が飲み込まれるだろう」
その言葉を聞き、東山の背筋は一瞬にして凍った
「ど…どうすればいいんですか?」
震えた声で東山はオールドマンに聞いた
「強くなれ、そして己の力に疑問を持たなければ飲まれることはない」
「そうすればいいんですか?」
「ああ、お前を道場に一カ月ほど入れてやる、改めて歓迎するわい」
「あ…ありがとうございます!!」
そうして東山は道場のことをいろいろと知ることとなり…
「どうじゃ?具体的にこの道場のスケジュールとかわかったか?」
「はい!ばっちりです!!ところで、買い物に行ってる人たちはどこに…」
「もうすぐ帰ってくると思うんじゃが…」
「すみません師匠ー!!」
大きい声に東山たちは反応し声のした方を向くとそこには息切れを起こした少年二人がいた
「イノセントがまたやらかしまして…」
「何言ってんだよエナジー、お前がでかい声出したからばれたんだろうが」
「んな!お前が俺の顔ぶんなぐったからだろ!」
「あれは俺の目をふさいだお前が悪いんだろ!」
「ふざけんな!表出ろ!剣でケリつけようじゃねえか!!」
そんな風に二人ががみがみ言い合っていると
「もううるさいぞ!静かにせんか!」
そういいオールドマンまでけんかに入ってしまい…
10分経過
「…なあ」
けんかをしている三人を横目に東山がストロングに話しかける
「なんだ?」
「いつもあんな感じなのか?」
「そうだぞ、ここじゃ有名な話だけどな」
「そうなのか」
「もう一種の娯楽にされてんだよ」
「たとえば?」
「街中で殴り合って捕まえに来たやつも笑ってみてるくらいだ」
「俺の世界とは大違いだな」
「そうそう、違う世界といえば」
「?」
「お前この世界に来る前になんか仕事とかしてたのか?」
「ああ…まあ…そうだな…」
「どうしたんだよ、言いたくないのか?」
明らかに言いたくなさそうな態度にストロングが言う
「そりゃ、おま…まあいい、話してやるよ」
「やったぜ」
「お前はブラック企業って知ってるか?」
「知ってるぜ、人を消耗品みたいに使う悪魔の企業だろ」
「こっちにもあるのか?」
「ああ、国家直属の組織、リベリオンってところだ」
「なんか俺たちの敵になりそうだな」
「そんな縁起の悪いこと言うなよ」
「ハハハハハ!!!」
「それで話に戻るがな」
「ああ」
「俺が務めてた企業がとんでもなく真っ黒だったんだよ」
「おお」
「過労死する奴が出てきたくらいだ」
「それはご苦労なこった」
「それで単純作業とか得意になって、器用にもなっちまった」
「それはいいことなのか…」
そんな会話を続けているうちに喧嘩が終わり…
「というわけで1か月間この道場にいる東山君じゃ、みんな挨拶せえ」
「よろしく」
「よろしくな」
「よろしくだ」
「それでは明日から修行に参加するからお前らと同時に教える、全員明日に備え今日は寝るんじゃ」
「はい!」
「東山君、少し古いがわしの家に泊まれる場所がある、そこで休んでもらって構わないぞ」
「ありがとうございます!」
「じゃあついてきてくれ」
「わかりました!」
そうして東山はオールドマンについていった…
続く…