第8話 我らの正義(かわいい)に曇りなし
さっき見たら日間ランキングが21位になってました!ありがとうございます!
今回は「ノーゲーム・ノーライフ」のThis gameを聴きながら書きました!
宜しくお願いします。
我慢しきれなくなったルナが大きな声を上げた事で、更に注目を浴びてしまったティナ達。しかし、その後すぐに我に返ったルナは2人でそさくさとギルドの方に走っていったのだった。
「ルナちゃんごめんなさい。調子に乗り過ぎました……」
「別に怒ってないもんっ!」
何故か幼児退行したルナを何とか宥めようと奮闘するティナ。
中々機嫌を直してくれない親友の態度にオロオロするのみであった。
そしてそのまま受付待ちの列に並びながら討伐報告するのを待つ。
「どうどう」
「私は馬や牛じゃないって!」
普通に宥めるのでは効果が無いのではと考えたティナは、あろう事か動物を御するときに使う掛け声を使う。しかし、それは効果覿面。いつものルナが戻ってくる。
「はぁ……。何かこれ位で疲れてたらこの先身が持たないかも」
「本当にすみませんでした」
「もう。じゃあ今度駅前に出来た新しいカフェに付き合ってもらうからね!」
「わかりました! 話題のせんぶり茶パフェ楽しみです!」
何とも意味不明な食べ物の名前が出てきた事に、列に並ぶプレイヤー達が顔を顰めるが、美少女2人が和気藹々としているその様子にどうでも良くなってしまう。
そうこうしている内に2人の番が来る。
「お疲れ様でした。それではお2人の討伐数を確認させて頂きます」
受付NPCの女性がそう言うと2人の目の前にスクリーンが現れる。
「ティナ様とルナ様の討伐総数は……ゴブリンが16とウルフが21ですね。素晴らしいです、これからも頑張って下さいね」
受付NPCが結果を口にすると、周りがドヨっと騒ぐ。
どうやら、早くもゴブリンを倒す者がいるというのが驚きらしい。
確かに、ティナ達が足を運んだのは初心者プレイヤーでは本来敵わないゴブリンのいる雑木林。しかもその奥にいる武器持ちのゴブリンだ。
他のプレイヤー達はまず戦闘に慣れる為にまずは草原のウルフ討伐から始める者が多かったのだが、2人は違う。
最初からゴブリンに挑み、しかも16匹も討伐したという。
その様子を見たというプレイヤー達がそこらで話を広めており、それを聞いたプレイヤーは誰しもが「そんなバカな」と冗談として受け止めていた。
しかし、今耳にした事はそのプレイヤー達の証言と同じ。
皆が信じられないと言った顔をして、そのやり取りを眺めている。
「それでは報酬として、ゴブリン1匹につき300G、ウルフ1匹につき150Gと言うことで合計7950Gのお渡しになります」
「うわぁ、これきっと序盤にしたら相当な大金ですよ……!」
「嬉しい想定外ね」
まさかそんなにも貰えるとは思ってもみなかった2人は、いきなり大金を手にして少し戸惑っている様子。受け取った大金はすぐにしっかり者のルナのインベントリに閉まって、列から外れてギルド内の端っこへ移動する。
「これで、装備が整えられるわね」
「私は既にすごい物持ってるので、ルナちゃんを強化しましょう!」
「そう? じゃあ早速装備を扱うお店にでも行こうか?」
「おーー!!」
ルナの提案にティナが拳を上げて賛同する。
そして、2人揃ってギルドを出ようと歩いていくと……。
クイッ
「ん? 今誰かに袖を引っ張られたような」
「こんなに混んでるんだから、誰かに引っかかったんでしょ」
そうルナに言われて納得したティナは再び足を動かす。
クイクイッ
また引っかかった、と思ったがそれでも足を止めないティナ。
クイクイクイッ
「うーん、やっぱりさっきから何かに引っ張られてると思うんですよね」
「まさか、幽霊でもあるまいし」
「や、やめて下さいよ! 私、そういうのは苦手なんです!」
そうルナがティナをからかいながら、それでも歩を進める2人。
グイグイグイグイッ!!!!
「痛い痛い痛い! すごい力で引っ張られてます! 誰ですか!? 私のドレスが破けてしまいますよ!」
そう言ってやっと足を止めて振り返ってみる。
しかしそこには誰もいない。
見えるのはただごった返すプレイヤー達だけで、ティナの袖を引っ張るような犯人は近くに見受けられない。
「ここじゃ」
「あれ? 今何か聞こえたような?」
「私も聞こえた。けど、声を掛けてきた人は誰もいないよ」
辺りをキョロキョロしても、声の主は見つからない。
「まさか……本当に幽霊だったりして……?」
「キャーッ! ルナちゃん本当によして下さい!」
両手を垂らして怨めしやーのポーズを取るルナに、目に涙を浮かべながら本気で嫌がるティナ。非常に騒がしい。
「無視をするでない! 妾はここじゃ!」
「「え?」」
そうして、先程より大きな声が聞こえた発生源に顔を向ける。
視線を下に向けると……。
「やっと、こちらを見たか。妾の名はホオズキ、よろしく頼むぞ」
そうニカッと笑ったのは、額から角を1つ生やした黒髪パッツンのじゃロリだった。
「抜刀」
「ティナいきなりどうしたの!? ここギルドの中だよ!? いきなり剣を抜くなんて!」
「いや、何故か急に正義を語りたくなってしまいまして」
「青色のチームになんて入ってないでしょ!? しっかりして!」
ホオズキと名乗った幼女を見た瞬間、身体中に電撃が走ったかのような衝撃を受けたティナ。たまらず抜刀してしまう。
「抜刀」
「お前もかい!」
幼女も同じく、背中に担いだ金棒を持って仰々しくお馴染みのポーズを取るのだった。
ティナ第二号の登場である。
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