第6話 〇〇さん キミにきめた!
短いですが、投稿をサボっていたお詫びに急拵えですが投稿します。
今回は「ゾンビランドサガ」の徒花ネクロマンシーを聴きながら書きました。宮野さんのテンション良いですよね、大好きです。
宜しくお願いします。
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モチベがグンと上がり申した。
「グングニルとかどうですか!!」
「いきなり厨二全開発言でどうしたの!?」
2人で『アーカス』への帰り道を歩いている途中、突然ティナがそんな事を言い出した。
あの後、ステータスを確認して自分達がどれだけチートなのかを再認識させられたが弱いよりは楽しめよう、との判断で早々に帰路へ着く。とことんいい加減である。
「麒麟さんの名前ですよ。そろそろ付けてあげないとなーって思っていたんです」
「確かに、いつまでも種族名で呼ぶのもね。折角名前を付けてあげられるし」
どうやらティナの召喚獣である伝説の霊獣の麒麟の名前を考えていたようで、その候補を口にしたらしい。
「それにしても、そのセンスは無いと思う」
「いやいや、ルナちゃんは何も分かっていませんね! こういうのは強くて格好良くて童心をくすぐるものに限るんですよ!」
確かに麒麟は強くて格好良いし、加えて美しい。
出来るならばその見た目に合った素晴らしい名前を付けてあげたいという気持ちは分かるが、流石にグングニルは無いとルナは説得する。
「そもそも、この年齢になって神話上の武器を引っ張ってくるなんて……痛いわよ」
「むーっ! 良いじゃないですかグングニル! きっと麒麟さんも喜んでくれますよ!」
親友に言われてムキになったティナは、先程戻した麒麟を再び呼び戻す。
「キュルキュル」
「さぁ麒麟さん! アナタの名前が決まりましたよ! これからはグングニルさんです、宜しくお願いしますね!」
満面の笑みで召喚された麒麟に向かってそう呼び掛けるティナ。
「キュ!? キュッキュルルゥ!」
言葉でコミュニケーションを図れない為に、体で感情を表す麒麟。その暴れようを見れば、グングニルという名前に納得していないというのは明らかだ。
「ほら! こんなに嬉しいみたいですよ!」
「いや、単に嫌過ぎて暴れてるだけだから!」
どうやら体全体で喜びを表現しているとティナは勘違いしたようで、ルナの指摘を受けてようやく熱意がおさまる。
「お分かりいただけただろうか?」
「とても信じられないです……」
某ホラー番組のナレーションのような言い回しで、ティナを諭すルナ。勿論、それに乗らない手はないティナだった。通常運転である。
「それじゃあ、ちゃんとした名前を決めてあげましょう」
「私としてはきちんと考えた結果だったんですけどね」
まだ言うか、とツッコミを入れつつ2人で麒麟の名前候補を考えていく。
「やっぱり格好良い名前がいいの?」
「そうですね。霊獣に相応しいものがあれば採用したいです」
頭を捻りながら、あれじゃないこれじゃないと口々にする2人。
「金ピカですしギル〇メッシュさんなんでどうで……」
「それ以上は言わない方が身の為よ」
鬼気迫る表情で続くティナの言葉を遮るルナ。
確かにルナに言われた直後に何故か寒気がして、頭の中に1つの言葉が浮かび上がる。
『著作権』
「やっぱりダメです。オリジナルで行きましょう」
「まぁ、私たちの話のタイトルからしてギリギリだと思うけどね」
「ルナちゃん、結構なメタ発言ですね」
そのまま使ってはいないし、ちょっと文字ってるから大丈夫だよね……?
という天の声は無視しつつ、再び麒麟の名前を考える事に没頭する2人。
「……ロレンツォなんてどうでしょうか?」
「うん。何か響きも良いわね」
どうやら案が固まった様子のティナとルナ。
そしてティナは、こちらを見ている麒麟に呼び掛けてみる。
「ロレンツォ、アナタの名前はロレンツォさんですよ」
「キュルキュル!」
そう呼ぶと今度は頬擦りをして感情を表現してくる。
気に入ってくれたようだ。
「良かったね、変な名前を付けられずに済んで」
「キュルルゥ」
全くだ、と言わんばかりに首を縦に振るロレンツォ。
「もう、その話はやめて下さい!」
顔を赤く染めてこちらをジト目で見つめてくる1人と1匹に、為す術もなかった。
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