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第5話 この世の全てのゴブリンに感謝を込めて……殺らせていただきます!

お久しぶりです。

投稿サボっててすみませんでした。


また、投稿していなくても読んでいて下さった方、ブックマークして頂いた方々ありがとうございます。

感謝してもしきれません。

 

 あの後、チャラ男集団から逃げ仰せたティナとルナは再びモンスター探しに戻った。

 しかし、雑木林の更に奥に進んで行っても中々エンカウントしない事に徐々に諦めを感じ始めていた。


「はぁ……何にもいないわね」

「草原に戻って、狼さんでも狩りに行きますか?」


 目的のゴブリンとスライムを目にできないのは悔いに残るが、ここまで来ても1匹も居ないのならば仕方ない。ティナの提案に乗って引き返そうとしたその時……。


「キュルルゥ!」

「どうしたんですか麒麟(きりん)さん!?」


 急にティナの召喚獣である麒麟が、雑木林の奥の方へ警戒を露わにする。


「もしかして敵かも!」

「やっと現れましたか! 随分待たせてくれましたね!」


 麒麟の反応を見るにどうやらモンスターが近くに来ていると判断した2人。ルナは杖を前方に掲げているが、隣のティナは両手に握る双剣をブンブンと振り回している。


 そうして待ち構えていると、ガサガサと草を掻き分ける音ともに複数の影がその身を現す。


「ギギャギャ」

「ギギギギィ」

「ギョギョギョーーー!!!」


 全部で3体のゴブリンがそれぞれ剣や弓を携えて、こちらに敵意を剥き出しにしている。内一体は随分とやる気に満ち溢れ過ぎて、もはやテンションがおかしくなっているが。


「ち、ちょっと! あのゴブリンさん、なんか奇声あげて……! あっははは!!」

「ちょっとティナ!? 今から戦闘なんだけど!?」


 どうやら何かのツボに入った様子のティナ。

 ようやく目的のゴブリンに遭遇しこれから戦うというのに、この場には似合わない笑い声が響き渡る。


「魚〇んみたいです!」

「それは私も思ったけども! 今はそれどころじゃないでしょ!?」


 頭にハコフグの被り物をして、白衣を纏ったお魚さんに詳しい人が真っ先に頭に浮かんだ2人。ルナも同じ認識を共有するが、ティナはどうしても耐えられなかったようだ。


 しかし、そんな2人にバカにされたように感じたゴブリン3匹。

 その笑い声に憤り、(くだん)のゴブリンが再び声を上げて攻撃の合図を出すと、一斉にこちらに向かってくる。


「ほら、しっかりして! ゴブリンファイター、ゴブリンアーチャー、ゴブリンマジシャンが1体ずつよ!」

「了解です! では、私が前に出るのでサポートをお願いします!」


 流石にこちらも戦闘態勢にならなければと、2人はすぐさま陣形を整える。と言っても、ティナが前衛でゴブリンファイターを対処し、ルナが魔法で牽制しつつ補助を行うといった単純なものであるが。


 と、ここでティナが自身の召喚獣である麒麟に指示を飛ばす。


「ルナちゃんが2匹対処するのは厳しいですからね! 麒麟さんは魔法を使うゴブリンさんをお願いします!」

「キュルル!」


 了解、と言った風に鳴き声を上げた麒麟は、召喚者(マスター)の初めての指示にやる気を漲らせて杖を持つゴブリンの元へと駆けていく。


「さぁて、私もそろそろ行きますか。この『総剣リリーフ』の力を見せて差し上げましょう……!」


 そう言って双剣に力を込めるティナ。

 すると、その剣は眩い光を放ち始めてその形状を変化させていく。


「これが私の剣の力!『聖剣カリバーン』『魔剣スレイブ』!」


 右手に握られるのは、白い光が輝く一振りの聖剣。

 左手に握られるのは、黒い光が蠢く一振りの魔剣。


 どちらも途轍もない程の力を感じる。

 後ろにいるルナもその波動を感じたのか、ティナの背後でゲームの中だというのに冷や汗をかいている感覚を覚えていた。


「観念して下さい」


 静かにそう呟いたティナの声は、不思議とよく通る。


「この世の全てのゴブリンに感謝を込めて……殺らせていただきます!」

「シリアスな雰囲気が台無しだよ!」


 某グルメ戦闘漫画のようなセリフを喋って、双剣を構えて駆けていくティナ。


 そして、一瞬のうちにゴブリンファイターの眼前に現れたかと思うと『聖剣カリバーン』と『魔剣スレイブ』をクロスするように振り下ろして、ゴブリンを斬り捨てる。


 その刹那の光景にルナと麒麟、そして残されたゴブリン2体も唖然とした表情で佇んでいる。


「ルナちゃん! 麒麟さん!」


 ティナにそう声を掛けられ、ハッと我に返ったルナと麒麟は、ゴブリンが現実に返ってくる前にそれぞれの獲物を葬る。


「『炎弾(ファイアバレット)』!」


 ルナが唱えると杖の先から炎の弾丸が撃ち出され、ゴブリンアーチャーの眉間を貫く。


「キュルラァ!」


 麒麟が(いなな)くと角の先から金色の雷が放たれ、ゴブリンマジシャンを焼き焦がす。


 こうして、ティナ達の初戦闘は意外と呆気なく終了を遂げる。


「やりました! 初勝利ですよ!」

「まぁ、分かりきっていた事だけどね。それにしてもオーバーキル過ぎたけれど……」

「苦戦するよりは良いじゃないですか」

「それもそうね」


 2人と1匹で勝利を分かち合う。

 暫くやいのやいのと騒いでいると、その声に誘われてゴブリン5匹が追加されて来た。


「また、来ましたね。『総剣リリーフ』の感触も何となく分かりましたしすぐに終わらせますか!」

「そうね、それじゃあ私は左の2匹を貰うから」


 こうして、戦闘のコツを掴みかけたティナ達はその感覚を確かな物とするように続々とやってくるゴブリンを倒しまくるのであった。




 ◇




 あれから2時間程ひたすらにゴブリン狩りをしていたティナ達。

 途中から正直飽きてはいたものの、「この程度のモンスターに背を向けるとは何事か!」と何故か声高らかに上げた銀髪美少女さんに付き合いつつも、レベルアップも兼ねて連戦していた。


 それも目の前のゴブリンガンナーの胸を撃ち抜いた事で最後の1匹を倒したルナ。ようやく終わった戦闘に、両腕を投げ出して声を上げる。


「あぁーー!! 疲れたぁ!」

「キュルル……」

「麒麟さんもお疲れ様でした。戻っていて大丈夫ですよ」


 流石の霊獣も、レベルが低ければゴブリンとの連戦でも疲れたようで、召喚陣の中へ戻したティナもルナの隣に立ち、お互いを労い合う。


「結構倒しましたからね。レベルアップのファンファーレも何度聞いた事か」

「初めてのレベルアップも、感慨深いものを覚える間もなく次のゴブリンだったもんね」


 そう笑い合ったティナとルナは、どれだけレベルアップしたかを確認する為にステータスを開く。


 名前:ティナ

 種族:美女神

 職業:召喚士

 サブ職業:戦乙女

 召喚獣:麒麟

 レベル:5

 HP:34/34

 MP:32/32

 STR:35 INT:17 VIT:28

 MND:23 AGI:25 DEX:24


 ☆技能

 ・召喚術レベル2…レベルが10の倍数に達する度に召喚枠+1(最大6枠)

 ・双剣術レベル2…レベルが10の倍数に達する度に各性能が解放

 ・騎乗


 ☆装備

 ・総剣リリーフ…

 聖剣カリバーン 魔剣スレイブ 罪剣(ざいけん)ディース

 徳剣(とくけん)ヴァーチェ 刻剣(こくけん)ワールド 幻剣(げんけん)ファンタズマ

 彩剣(さいけん)エレメント (聖剣・魔剣のみ使用可)

 ・聖装•理想郷(アヴァロンドレス)

 ・湖妖精の厚底靴(ヴィヴィアンブーツ)

 ・夢幻の指輪(ミスティリング)

 ・妖精皇の腕輪(オベロンブレスレット)


 名前: -

 種族:麒麟

 位階:5

 レベル:3

 HP:60/60

 MP:105/105

 STR:35 INT:50 VIT:33

 MND:42 AGI:45 DEX:31


 ☆技能

 ・神雷

 ・霊獣の誇り


 名前:ルナ

 種族:エルフ

 職業:魔法士

 レベル:5

 HP:21/21

 MP:24/24

 STR:16 INT:27 VIT:16

 MND:23 AGI:18 DEX:19


 ☆技能

 ・火魔法レベル3…

 炎弾(ファイアバレット) 炎壁(ファイアウォール) 炎波(ファイアウェーブ)

 ・風魔法レベル2…

 風弾(エアバレット) 風刃(エアエスパーダ)

 ・杖術レベル1…

 振り回し


 ☆装備

 ・見習いの服

 ・見習いのローブ

 ・見習いの杖


 「「……やっば」」


 互いの顔を見合わせてそう呟くのだった。


読んで頂きありがとうございます。


もし気に入って頂けたらブックマークして貰えると嬉しいです!

また、ポイント評価や感想も頂けると舞い上がります!


タグの「パロディ多め」ですが、出して欲しいパロディネタがありましたら感想欄にて教えてください。自分が知っているネタなら使わせて頂くかもです!


よろしくお願いします。

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