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第4話 戸惑いこそが人生だよ チャラ男君……!!

どうも、今回は「ONEPIECE」のOne dayを聴きながら書きました!


それと、今回は話が短めかつ文が雑になってしまいました。(いつもかな?)


よろしくお願いします。

 

 アーカスの町を出てすぐの草原へとやって来たティナとルナは、早速待ち望んでいた戦闘を行う……所だったのだがルナが途中で待ったを掛けた事で中断される。


「こんな所でティナと、あの召喚獣を出したらパニックになるからここじゃダメだよ。本当なら褒められた事では無いけど、もう少し奥の方に行って強いモンスターを相手にしよ?」

「そうですね! 麒麟さんがいればまず間違いなくこんな所で(つまず)く事は無いですからね!」


 ルナの提案に快く乗っかかるティナは、足並みを揃えて草原を少し行った所にある雑木林の中へと入っていく。先程の草原ではプレイヤーがチラホラといたが、ルナの予想通りここまで来るプレイヤーはまだいないらしい。


 ようやく胸を撫で下ろして、モンスターとの戦闘に集中出来る事がわかって2人も嬉しそうだ。


「サモン、麒麟さん!」


 ここに来るまでの道中で、ルナにチュートリアルの内容を教えてもらいながらメニューのヘルプから様々な事を調べていたティナ。その調べ物の中には、どうやれば召喚獣を呼び出せるのかという基礎中の基礎も入っていたが、何も教わらずにここに来てしまったティナは何も悪くない。今更嘆いていても仕方ないのだ。


 そんな事は置いておいて、ティナの呼び掛けに応じて地面に大きな魔法陣が現れたかと思うとそこから、金色の霊獣が飛び出してくる。


「キュルルゥゥ……」


 と、何とも説明の付け難い不思議な声を鳴らす麒麟。

 神々しいその姿をしている伝説の霊獣だが、召喚者(マスター)のティナに近付いて頬擦りをしている所を見るとどうやら甘えているだけらしい。


「麒麟ってラガーのイメージがあるから……こんな見た目してるのはちょっと以外」

「私も、角が生えてるとは知りませんでした。イラストだとわかりづらいですからね」


 女子高生なのにお酒の話をしている2人は、本当は中身がおっさんなのではと思えてくるのだが、れっきとした花も恥じらう現役JKである。最近のハーフ美少女女子高生はパチスロも知っている位だからここで気にしていても負けである。


 2人が話していると、麒麟が召喚者(マスター)の元へその蹄を鳴らしながら近付いたかと思うと、その龍の顔でティナに頬擦りをする。正直、初見はその神秘さと大きさから威圧感が半端ないのだがこうして触れ合ってみるとなかなかどうして、結構可愛いものだ。


 ティナが望んでいたモフモフの形とは違うが、麒麟の金色の背毛はこの世のもので例えられるものではない至高の手触りであった。そういう事で、10分位2人で麒麟を撫で続けたのはしょうがないのだ。


「ふぅ、モフモフも補充出来ましたしそろそろ始めますか!」

「そうだね、最初は手堅くゴブリンかスライムってとこかな?」


 これからモンスター討伐というのに和気藹々(わきあいあい)とした雰囲気で、2人でズンズンと雑木林を進んで行く。しかし、不意に後ろから爽やかな声が聞こえてくる……。


「へい、そこの彼女達! それ以上は危ないよ、どうしても行きたいなら僕達とパーティ組んで一緒に行こうよ」


 そう声を掛けてきたのは、どこの一昔前のナンパだと言わんばかりの勘違い系チャラ男集団。男だけの4人パーティらしく、皆が軽薄そうな笑みを浮かべながらティナとルナへとパーティを組まないかと打診してくる。


 ちなみにここで少し説明すると、この『ESO』でのパーティは1組6人までと決められている。これも、チュートリアルで教えられる事なのだが、生憎そんな物は存じ上げないティナちゃんは勿論ルナちゃん先生に教わったばかりだ。


 加えて、召喚士の使役する召喚獣はパーティの一員にカウントはされないので、使役する数が多い程得である。召喚術の技能の熟練度次第であるが、戦闘時には6体全開放も可能であるという事だ。


 そういう事で、チャラ男集団は4人で美少女2人組を合わせて丁度6人でパーティが組める。更に、彼らは口々に俺が守ってやる、とかキザな事を言うが正直2人は悪寒が走って仕方がなかったが、根が真面目な彼女達は強引に突き放すことも出来ずにその場で彼らの口説き文句を聞いてしまっているのだ。


 それに勘違いして、もう一押しいけばパーティが組める! という浅はかな考えの元、更に押しを強くするチャラ男集団。しかし、辟易としたルナがようやく口を開ける。


「すみません、気持ち悪いので無理です」

「ルナちゃん言い過ぎだよ! あの、吐き気を催すのでここから離れて下さい」


 グサグサと鋭い言葉がチャラ男集団を襲う。

 これまで何度もナンパをしてきた歴戦の戦士達だったのだが、ここまでストレートに断られるのは初めての事なのだ。4人共が口をポカンと開けて寂しく突っ立っている。


「往ね」

「ああっ!? ルナちゃんのナンパアレルギーが出てしまいました! チャラ男さん達、ルナちゃんの為にもどっか行って下さい!」


 2人共中々の言い草である。


「参ったなぁ、軽い気持ちで声を掛けたってのに……」


 そんなチャラ男集団にティナが一歩近づき、何故か無いメガネをクイッと掛けるような仕草をした後に精悍(せいかん)な顔つきで

 一言。


「戸惑いこそが人生だよ チャラ男君……!!」


 ドンッ! とどこからか効果音が聞こえてきそうな気がしたルナであったが、ちょっと今本当に気持ち悪がっているのでツッコミは入れてあげなかった。


 そんな事をやっていると、チャラ男集団の後ろの方から続々とプレイヤー達が集まってくる。何故かというと、美少女2人組が何も知らずに初心者用の狩場である草原でなく、いきなりワンステージ上の雑木林に入っていった所を見かけたプレイヤー達が心配して後を追ってきたのだ。勿論、9割は男性プレイヤーの所を見ると下心もあったようだが。


 そういう理由でプレイヤー達が集まり始めた頃に、チャラ男集団へティナとルナのお断りの言葉を掛けた場面が丁度見られてしまった。


 そんな多数の男性プレイヤーから同情の視線と言葉を掛けられるチャラ男集団に、ティナが思いついたかのように言葉を上げる。


「あぁ、これがBLですか!」

「「「「「違うわ!!!!!」」」」」


 モンスターが溢れる雑木林というのに、コントを広げるティナとチャラ男集団。その場には男達の悲痛な叫びがコダマするのみだった。


「キュルル……」

 「……あ、麒麟さん呼び出してたの忘れてた」


読んで頂きありがとうございます!


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よろしくお願いします。

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