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生まれた結果

「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」


「あー!よしよし!可愛いねえ」


やられた。マジやられた。転生させられた。どこだここは。目の前の母親らしきやつはエルフか。


まず自分のステータスが見れない。一刻も早くステータス開示魔法を創造しなければいけない。文明程度はどのくらいだ。


「マリア。よく頑張ったな……私とお前の子どもか……なんとも猿みたいな顔のエルフだが、この先我が一族を率いていくように、私たちがしつけていかなければな。どれ、鑑定魔法で能力をチェックしてみよう」


「そうですねあなた」


「な!!!!!!!!!なにぃ!!!!!!!!??」


「どうしたのですか!?」


「こ、この子ども!HPもMPも攻撃力も防御力も、全部能力値が1じゃないか!!!!!!称号も【エルフを破滅せし者】なんて書いてあるぞ!!!」


「な、なんですって!普通生まれてきてすぐの子でも、平均能力値は20のはずだわ!それがすべて1なんて呪われているに違いないわ!すぐ捨て子にしましょう!この子はいてはいけない子だわ!」


「早速そうしよう!!!殺すのもなんか祟りとか引き起こしそうで怖いものな!」


え?ちょっと待って。


-------------------------------


捨てられた。


森の中に捨てるか普通。もっとこう、捨てるならせめて孤児院の前とか赤ちゃんポストとかあるのではないか。


とりあえずまず自分の位置付けを確認しよう。


「転生させられた」「言葉はなぜか通じる」「俺のステータスはどうも全部1らしい」「森に捨てられた」


やべーなと思っていると、目の前にウルフ種っぽいモンスターがやってきた。


これは死ぬ。俺はまだ赤ちゃんだから目もろくに開けられないのに、近くにウルフが来るのはマジで死ぬ。


ウルフがとびかかってきた。


(無詠唱・ファイアボール!)


【ピピーッ! MPもスキルも全然足りません】


俺が心の中でファイアボールを唱えると、炎も何も出なかったが、ウルフは警戒して飛びかかるのをやめたようだった。しかし全く安心はできない。


MPを2しか必要としない、最低値の魔法のファイアボールがMP切れで使えないだと……つまり魔法を全く使えないというわけか……


よし、これだ。


「おぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


【スキル「咆哮」を獲得しました】


俺が咆哮すると、ウルフはどこかに行ってしまった。危ないところだった。


【咆哮スキルの副作用により、状態異常「声帯ポリープ」が付与されます】


このままでは死ぬ……


そう思っていると、謎に水着を着た、弓矢を携えた人間の女性がぼくのところに駆け足で近寄ってきた。


「だいじょうぶ!!!!!!!?怪我はない!!?お姉さんが助けに来たからもう大丈夫よ!!」


俺はすぐにこれは逆レイプされるヤバイと思ったが、問答無用で彼女に捕まり、どこかに連れて行かれてしまった。


---------------------------------------


「エイミーさん」


俺がさっきの痴女をそう呼ぶと、こいつは恍惚の表情で「はぃぃいい」とよだれをたらしていた。重度のショタコンらしい。年齢は491歳。


俺はため息をつきながら、全く自在に動かすことができない手で魔法陣を描いている。喫緊の課題は「MP増加魔法陣」を描くことだ。


だめだ……手が動かない。赤ん坊の手は全く動かすことができない。


この女に無理矢理連れてこられて2時間でできたことといえば、テレパシースキルを獲得できたことだけだ。


「エイミーさん、俺、魔法陣を描きたいんだけどさ」


「ふひひっ!ふひっ!え?え?魔法陣?魔法陣はちょっとボクには早いんじゃないかな?一般的に、魔法陣のお勉強をするのは3歳になってからよ!」


「おねが〜い♡」


「わかった♡私が手伝うね♡」


俺がエイミーに魔法陣を描くように指示すると、エイミーは渋い顔をしはじめた。


「この魔法陣の構成は全く良くないわ。複雑化しすぎて理論的には完璧でも、実践では破綻するのがオチよ。私の研究成果の結集である、魔法大全がここにあるんだけど、このままでは先の図形に重なって回路がショートすると思うわ。しかも。見て、ここでこの要件を満たせるわけがないと思わない?」


「エイミーさんすき♡」


「わかった♡言う通りに描くね♡」


………


「これは!大発見よ!!!!!!!!!!!!!これがあれば名声など思いのまま!!!私の天下が来たようね!!!!!!!……わかった♡その論文はあとで仕上げるから今はこの作業に集中するね♡」


「そこでそれを発展させるの!?どうやってそんな発想が浮かぶの!?ハインリッヒの法則!?それは魔法とは全然関係ない法則じゃないの!?……静かにするね♡」


「これは!!!!!!!!!!!!!!……わかった♡」


「なんてことなの♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」


「みょ♡♡♡♡♡♡♡」


エイミーを一通り叫ばせて、ついにMP増加魔法陣を完成させた。これがあれば最大MPが2倍になる。そして、最大MPが2になれば、ステータス開示魔法を使用することになる。


いでよ!俺のステータス!!


------------------------------------------


ダークネス=エルフ

ヤマダ=ササキ (0)


Lv: 1 / 20 (次のレベルアップまで必要経験値50000EXP)

HP: 1 / 1

MP: 0 / 1+1=2

攻撃力: 1

防御力: 1

魔法攻撃力: 1

魔法防御力: 1


【スキル】

・咆哮


【称号】

・エルフを破滅せし者

・上級神ジョーの怨恨を買った者

・成長速度低下(特大)

・取得経験値半減

・レベルキャップ20

・不運(特大)

・レベルアップ時に得られる能力低下(特大)

・魔法詠唱時間10倍

・痛覚倍増

・早熟

・称号取得不可

------------------------------------------


これは……

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