中編
集中治療室・・・
そこに、五つのカプセルがあり、「カクスンジャー」の五人は、中で眠っていた。
「容態はどうだ?」
トリノは、医療戦隊ドクターレンジャーのリーダー・Dr・レッドこと赤木明に尋ねる。
「どーもこうも・・・
奴ら、常人以下のメンタルですからなあ・・・」
「じゅあ、心的外傷トラウマンでも出すか?」
「いっ!?」
心的外傷トラウマンは、人間のトラウマを武器とする怪人用に育成されている戦隊である。
「奴ら・・・
アバクンジャーに潰されますよ・・・」
意味がない・・・
その頃、「真実ジャーナル」社長・赤恥 開主は、メモ帳とスマホを手に、専務・黒幕バクロ、秘書・翠川ブチマ、記者・菊本綾香、記者・百瀬ユキノの五人は、本社へと足を進めていた。
彼らは、政治家のスキャンダルを軒並み暴き、政治の流れを止め、芸能人のスキャンダルを捏造して、芸能界を衰退寸前に追い込んだ、悪辣なジャーナリストである。
「社長・・・
今度は、会長のプロフィールを暴いてやりましょう。」
ユキノが、ニヤリと笑う。
「くくく・・・
我らは「正義のジャーナリスト」なのだ。
世間は、「悪」だと騒いでいるがな。」
赤恥は、ほくそ笑む。
始末の悪いことに、自分たちの仕事を、「善行」だと思い込む「悪人」だった。
「所詮、「正義の味方連合」も、こんなもんだ。」
そのときだった。
「そうかな?」
「忍者」が五人現れた!
「忍者戦隊シノビンジャー!」」
「どうしてここに!?」
「人も知れず、世も知れず・・・
闇に隠れて悪を斬る・・・」
「忍者戦隊シノビンジャー、ただいま参上!」
いつの間にか、スーツに身を包んだ五人の、背後で爆発がおこる。
「調べはついてるぜ。」
「議員どもの、六割を汚職の暴露で二割をありもしないデマで葬り、政治を止め・・・」
「同じように、売れている芸能人を片っ端から、消して芸能界を衰退に追い込み・・・」
「被害者だけでなく、市民からも嫌われる悪党ども!」
「な・・・なにを根拠に!?
我らは正義のジャーナリストだぞ!」
赤恥が、反論する。
ちっちっち・・・
と、忍びイエローが、指を降る。
「私たち、「忍者」なんだよね。
普段は、市民に紛れてる訳。」
「情報収集は、君ら以上さ。」
「くそ!」
「真実ジャーナル」の面々は、「変身」する。
「暴露戦隊アバクンジャー!」
そのころ、正義の味方連合総本部では・・・
「会長!
例のモノ・・・
できました!」
開発局長で、メガネをかけたポニーテールの女性が、トリノにUSBメモリを渡す。
「ありがとうヤヨイ・ウルセイド君。
これで、ヤツらにお灸を据えられる。
さあ・・・
「ブラキさん」の起動準備だ。」