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第9話 買い物 その1

「大事な話があるんやけど」


 昼休み。


 俺が自分の席で昼飯を食べていると、カズマが深刻な顔をして話しかけてきた。


「どーしたんだよ? マジな顔して」


「あのな…」


 カズマは言いにくそうにもじもじしながら、


「付き合ってくれへんか?」


 と言った。


 …はっ!?


「どーゆー意味だ?」


「そのまんまの意味や!」


 カズマは真剣な瞳でまっすぐ俺を見つめてくる。 そしてなぜかその視線が熱っぽい。


「カズマ… お前、俺のことをそんな目で見てたのか…?」


「…はぃ?」


「前々からそーじゃないかとは思ってたんだが… まさか、本当だったとわな…」


「え? なにが?」


「悪いけどお前の気持ちには答えられないぞ、俺にはそっちの気はないんだ」


「なにがやねん!? ふざけてやんとちゃんと話聞け!」


「なんだよ?」


「だから付き合ってくれって!」


「お前と?」


「オレに! や! もうすぐ妹の誕生日やから、プレゼント買いに行くんに付き合ってくれってことや!」


「あぁ… なら始めからそー言えよ。 変な勘違いしちまったじゃねーか」


「わかるやろ普通!? まぁええわ。 んで、放課後空いてるんか?」


「まぁ空いてるけど… 何か用でもあるのか?」


「だぁかぁらぁ! 妹の誕生日プレゼントを買いに行くって言ってんねん!」


 ほとんど発狂しながら大声で叫ぶカズマ。


 少しからかいすぎたか?


「わかってるって」


「はぁ、 んじゃとりあえず放課後な〜」


 大袈裟にため息をつき、カズマは教室から出て行った。






 放課後。


「それで、あんたの妹は好きな物とかないの?」


 前を歩く先輩が、俺の隣にいるカズマに質問する。


 俺達は今、近所のショッピングモールに来ている。


 そしてここに来る途中、学校帰りの先輩とモエに偶然ばったりと会ってしまい、なぜかニ人も一緒に行くことになった。


「ん〜 あんま知らないっす」


 俺たちはとりあえずショッピングモールをぶらぶらしながらカズマの妹のプレゼントを探す。


「妹の好きな物くらいわかっときなさいよ。 そうね… わからないんならモエに選んでもらえば? 同じ妹どうし趣味合うんじゃない?」


 と、なにやら理不尽な理屈をのべる先輩。


「そうすか? んならお願いしよっかな。 ええか〜?」


 そう言ってカズマは一番後ろを歩いていたモエの方に振り向く。


「ありゃ?」


 変な声を出すカズマに若干引きつつ、俺もつられて後ろに振り向く。


「あれ?」


 モエがいない。


「どこ行ったんや?」


「さっきからいなかったわよ? はぐれたんじゃない?」


 カズマの疑問に前を歩いていた先輩が答える。


「モエがいないの、気付いてたんですか?」


「当たり前じゃない? 私はモエのお姉ちゃんよ?」


 先輩は腕を組み、俺を小ばかにしたように答える。


 当たり前なのか…? 意味がわからない…


「いないってわかってたなら早く言ってくださいよ… 何かあったらどーするんですか?」


「いいじゃない、いつものことだし」


 自分の妹がいなくなったというのに、まったく動じた様子もなく、先輩はどこまでも冷静だ。


 モエがいなくなるのって、そんなによくある事なのか?


「とにかく捜しましょう。 まだ近くにいるかもしれませんし」


「どっかで絡まれてるかもしれんしな」


「今どきそんなヤツいないでしょ」


「そっすよね〜」


 何がおもしろいのか、けらけらと笑うカズマと先輩。


 どーして二人ともこんな冷静なんだ? 心配じゃないのか?


 …しかたないな。


「心配なんで捜してきます」


 俺はほんわかムードの二人にそう言って、今来た道を戻って行った。






「…いた」


 あれから10分、ようやくモエを見つけることができた。


 俺は道の真ん中でキョロキョロしているモエに近づき、話しかける。


「おいモエ、何してるんだ? 先輩が心配して… なかったけど探しにきたぞ」


「ぁ、シュウ君!」


 モエは俺の姿を見たとたんぱぁっと笑顔になる。


「こんなところで何してるんだ?」


「ぇっと、みんなの後ろを歩いてたら、急に女の子に服をつかまれて… 気がついたらみんなもういなくて…」


 気がついたらって…


「女の子って、知り合いかなんかか?」


「うぅん。 道を聞かれたの」


「…ちょっと、無理がありすぎやしないか? うそをつくならもっとましなうそを一」


「違うよぅ! ほんとだよ? 背がこれくらいで、髪が空色をしてて、目が透き通ってるみたいなまるでお人形さんみたいな女の子!」


 モエは手をぶんぶんと振り回して、必死にその女の子を再現しようとしているが、全く伝わらない。


「で、その女の子はどーしたんだよ?」


「道を教えてあげたら何も言わずに、頭だけさげてどっかに行っちゃっいました」


「うそくさ」


「ほんとなんですよぅ…」


 モエは涙目になりながら訴えかけてくる。


 なんでそんな必死なんだ?


「わ、わかったから泣くなよ。 ほら、先輩のところに戻るぞ」


「は、はぃ〜」






 空色の髪の女の子か。 見たことないな。 やっぱうそなのか?




 そーいえば空色ってスカイブルーともいうよな。


 って俺はいったい何を考えてるんだ…


 みなさんお久しぶりです。


 え? 更新が遅い?HAHAHA!


 キノセイデスヨ(´ω` )



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