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第13話 その後


お久しぶりで〜す


「はぁ…」


 授業中。


 俺は窓ぎわの席でほおづえをつきながら、空をぼーっとながめる。


 わからない… なにがわからないって、もちろんこのあいだの先輩が急に怒りだして帰っていってしまった件だ。


 あれから一週間、先輩は屋上にも現れないし、廊下ですれ違っても無視。 いつもの先輩なら絶対になにかしらの接触をしてくるはずなのに。


 別にこれはこれで静かだからいいんだが、やはり何か居心地が悪い。


「一ュウ」


「はぁ…」


 もう一度ため息をつく。 まぁこんなことをしたって答えがわかるわけでもないんだけどな。


「シュウ!」


「ん?」


 突然名前を呼ばれて振り返る。 少し離れた席にいるカズマだ。


 カズマは先生にばれないように小声で話しかけてくる。


「まだ悩んでるんか? アヤカさんのこと」


「ん、まぁな」


「本人に聞いたらええやん」


「いや、別にそこまではいい」


「いつまでもいらん意地はってたらあかんで〜」


「そんなんじゃない」


「ほんまに女心ってのはよ〜わから一」


「カズマァ!!」


「ぅわっと、なんすか〜?」


「授業中に、何をひそひそと話をしてるんだ?」


 先生に見つかるカズマ。 かわいそうに。 別に思ってないけど。


「いやぁ〜 こぅ、教科書の角って何度かなぁて思って」


「んなもん90度に決まっとるだろぅがっ!!」


 何がおもしろいのか、クラスの奴らはけらけらとそれを笑い、教室は騒がしくなる。


 それを注意しようと先生が口を開いたところでチャイムが鳴り、授業は終わった。




 そして昼休み。


 俺はいつも通り屋上でパンを片手にぼんやりと我が街の風景を眺めていた。


 一週間前まではこの時間はとても貴重だったが、今はこのひまな時間をもてあましている。


「はぁ、なんなんだよいったい…」


『俺、何かしましたか?』


 そう聞けたら一番早いんだろうが、こっちには全く心あたりがないし、何か嫌だ。


 あの、次の日なら聞けたのに。 今さら言い出しずらい。


 いらない意地なんて張ってないでさっさと聞けばよかったな…


 またため息をつく。




「ぁ、おったおった。 まぁだうじうじしとんのか!」


「カズマか。 なんだ?」


 振り替えらずに返事だけかえす。


「いい加減に元気だせ!」


「ん」


「いつまでもそんなしけた顔見せられとったら気分悪いわ!」


「ん」


「ってことでシュウの悩みを解決しに参上したぞ」


「ん」


「はい、じゃあ特別ゲストのアヤカさんの登場や!」


「ん… んん!?」


 慌ててカズマの方に振り返る。


「うそや」


「………」


 なんなんだいったい…


「まぁ代わりといっちゃなんやけど、モエをよんできたで」


 カズマの後ろからモエが出てくる。


「む」


 似たようなシーンが前にもあったような…


「それでやな! オレとモエとで、どーやったらシュウが元気になるか考えたんや」


「…それで?」


 よこでこくこくと頷くモエを見ながら、返事を返す。


「んで出た答えがこれや」


 カズマはそう言って、小さく折られた紙きれを渡してくる。


 紙をひろげると、中には小さくて綺麗な文字がいっぱい並んでいた。


 そして紙の上、オレンジと黄色の蛍光ペンでなぞられた、少し大きな文字。


『ドキドキ☆シュウと先輩の仲直り大作戦』


「んじゃ、作戦結構や!!」


「…は?」


 こーして俺はまた、めんどくさいことに巻き込まれた。

アヤカ「私の出番は!?」


作者「…来年、かな」


ア「はぁ!? だめよ!! 今すぐもう一話かきなさい!!」


作「…とぅっ!!」


ア「ぁっ!! また逃げたわね!?」

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