第10話 買い物 その2
こんにちは。 モエです。
今は迷子になったモエを捜しにきてくれたシュウ君と、二人でショッピングモールを歩いているところです。
となりを見ればシュウ君の横顔。 あぁ、カッコイイなぁ…
「なんだ?」
視線に気付き、こっちを向くシュウ君。 うん。 正面から見てもカッコイイ…
「はぁぅ〜」
「モエ?」
「ふぇ!? ゃ、なんでもないよぅ!?」
「ぼーっとしてるとまた迷子になるぞ」
「ぅ、うん。 ごめんなさい」
いくらカッコイイからって見すぎちゃだめだよね。 失敗失敗。
「別に謝らなくてもいいけど。 あれ、先輩達どこ行ったんだろ? 場所間違えたかな」
シュウ君は急に立ち止まり、首を傾げながらぶつぶつ言いだしました。
…ぁ、もしかして今シュウ君と二人っきり!? 気付かなかった…
ど、どーしよ!?ぁぁ、なんだか緊張してきちゃった!
落ち着くのよモエ! これはチャンスよ! これをきっかけに一気に二人の距離を縮めるの!
「ぁ、あの!」
「ん? なんだ?」
「せ、せっかくだし二人でぶらぶらしませんか!? そしたらそのうちお姉ちゃんたちにも会えると思うし…」
「ん〜 そうだな。 じゃあ行くか」
やった! よ〜し、あわよくばそのまま… エヘヘ…
「お〜い、 置いてくぞ〜?」
「ま、待ってくださ〜い!」
こうしてモエとシュウ君の(らぶらぶ?)初デートが始まりました。
アヤカよ! 今回から私が司会進行で、ちょっとしたコーナーでもやろうと思うの!
題して『とりあえず突撃してみる!』よ!
今日はシュウのところに行くわよ! ていっ!
「わっ!? 先輩!? どこからわいたんですか!?」
「もうそのリアクションは飽きたわ。 それより何してんのよ?」
「見ての通り宿題をしています」
「くだらないわね」
「意味がわかりません」
「まぁいいわよ。 今日はこのへんで帰るわ」
「は、はぁ…?」
「じゃあね!」
「え、それだけですか!?」
「てぃっ」
「……消えた。 うそだろ?」