怒
「桜ちゃん、ありがとう。 知りたい事が大分知れて嬉しいよ。」
私は、そう言いながら桜ちゃんの頭をよしよしと撫ぜていた。
桜ちゃんと出逢ってからずっと、こうして桜ちゃんの頭をよしよししてみたいと思っていた。
黒髪で本当に可愛くて、まさに大和撫子で、誰がこの欲求を止められるというのか!
私は、よしよしを堪能していた。
桜ちゃんが嫌がったら、すぐに止めようと思ってたけど、にっこりと嬉しそうに笑ってくれてるので、止める必要は無いのだ。
さぁ、じっくり堪能するぞー
「桜! 伏せろ!」
そんな声が聞こえてすぐ、私の体は声がした方とは逆に吹き飛んでいた。
「イタタタ。」
私は吹き飛ぶのが止まった後、起き上がろうとした。
私が飛ばされていた場所は木の上だった為、真っ逆さまに落ち頭を打った。
でも、オーガになって体も頑丈になったのだろうか。
「桜ちゃんと離れちゃったな…」
私は、吹き飛ばされてから辺りを探ると私と桜ちゃんが歩いてきた道だったので迷わずに桜ちゃんの所に行ける事を安心して、ふと自分の体を見ると頭から少しだけ血が出ているだけだった。
それよりも…
桜ちゃんに作ってもらった和服が…
袖の所が少し破れてる…
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない。
桜ちゃんに伏せろと言っていた事から、桜ちゃんの知り合いなんだろう。
それでも、桜ちゃんをよしよしタイムと桜ちゃんにもらった和服をよくも台無しにしてくれたわね!!
「ここから走ればすぐに着くわね。 大急ぎで戻って、少し痛い目に合わせてやる!」
そう、私は宣言すると全力で走り出した。