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ぷろろーぐ

銀髪美少女のエルフちゃんが異世界で現代日本の小説を読んで日々を過ごす話

今回は設定回のようなものです。

作品紹介は次回から。

処女作です。暖かい目で見守ってください。

「・・・・て、シャー・・・おきて、ねえ、シャール、シャール!」


毎朝のようにアッシュの声で目が覚めた。

「んーおはよう、アッシュ」

ベットの上に這い上がってわたしの顔を舐めてくる可愛い子猫の頭をなでながら、もう少し寝たいなーなんてぼんやりと考える。

よし、二度寝しよう。


どうせ、隣接する国々からはウェスタリア大森林なんて呼ばれてるこの森の奥の、いわゆる秘境に住んでいる私の元に訪ねて来る人なんていやしないのだ。

それに加えて、私は今一人暮らしである。

そう、一人暮らしなのだ。

進学や上京等で若い頃一人暮らしをしたことがあるこことは違う世界線の人々ならきっとこの素晴らしさをわかってくれるだろう。

自由に日々を暮らせることのなんと素晴らしいことか。

霊峰の麓のシャーケンの森にいたころなら母に大声で起きるようにいわれ、それでも起きて来ないようなら精霊魔法によって頭からびしょ濡れになっているところであっただろう。

そんな母の元を離れて、もう20年程が立つ。

今度顔を見せに帰ろうかなー、なんて考えながらふかふかの枕に顔をうずめる。

あぁ、二度寝って素晴らし〜。


Zzz。。。


「って、ダメだよシャール!もう9時になっちゃうよ。はやくおきないと」

あぁ、アッシュがうるさい。とりあえず布団の中に逃げさせてもらおう。

「シャール、今日はケーナが来る日でしょ。今日を逃したら2週間水だけで生きることになっちゃうよ」

「けーーな?誰だっけ?」

「寝ぼけてるの?商業ギルドのケーナだよ。ほら、シャールがいつも楽しみにしてる本とか、『って本!』持ってきてくれる。そうだよ、シャール楽しみにしてたじゃん。って起きてるし」


そうだ忘れていた。今日はケーナの来る日だった。

ケーナは空間魔法の使える商業ギルドの職員でこんな秘境にも2週間に一度は来てくれるとてもありがたい存在なのだ。

ケーナはいつも2週間分の食料品、雑貨、この森では手に入らない医薬品の材料、そして私への仕事の依頼として本を持って来る。

本といってもただの本ではない。異世界から空間魔法によってこの世界に持ち込まれた本である。

そして私はその本の翻訳者を本業としている。

異世界から手に入る本は多岐にわたっていて、この世界では思いもよらないような技術や、考え方が書かれているものも多く、それを研究することは非常に意味のあることなのだ。

そういえば、この前手に入った本のおかげで、帝都の方では蒸気機関とかいう今までにない動力源が作れたとかなんとか言ってたっけ。

とか考えながら、急いで服を着替えて寝室を飛び出す。時計を確認すると今はもう8時50分だ。急いで準備して、いつもの待ち合わせ場所の泉まで行かないと。

「シャール、翻訳した本忘れてるよ」

「ありがと、アッシュ」

危ない、危ない。仕事の成果を忘れるとこだった。

それでは、泉にレッツゴー!


泉について時計を確認すると9時ちょうど。なんとか間に合ったみたいだ。

今回のはエルダリアって世界の神話だったけど、こんどはどんな本を持ってきてくれるのかなぁ。なんて考えてると目の前がキラキラと光始めた。空間魔法の兆しだ。何回見てもきれいだなぁ。

新緑のひっそりとした森の中、朝の木漏れ日でうつくしく輝く泉の側に現れた光の柱がだんだんと人の輪郭をとり始める。白い羽が見えてきた。そう、ケーナは鳥の獣人である。


「久しぶりね、シャール。元気にしてた?」

「うん、そっちは?」

「もー聞いてよ。最近ほんと忙しくて大変なのよー。昨日だって合計1000キロ分ぐらいおうふくさせられたのよ。安月給で使いやがって、あのくそ社長め」

「もうそんなこと言わないの。はい、今回の成果よ。いつも通り帝国語と共和国語に訳してまとめといたわ。今回のは神話だったみたい。あと、前回頼まれてたチコの実とパルよ。パルの方は多めに取れたから少しぐらいくすねても大丈夫よ。」

「ありがとうシャール!大好き!パルを食べると疲れが取れるのよね。大事に食べさせてもらうわ。」

「それで今日持ってきてくれた本はどこなの?」

「もう、シャールってほんと、本の虫だよね。今回のは今までにつながったことのない世界の本らしいわよ。うちの上司曰く、この世界の100年先ぐらいをいく文明らしいわ。ちなみに魔道都市の学者では書いてあることを訳せても意味が分からなかったらしいわ。文化が違いすぎるみたいね。まぁシャールのギフトを使えばそんなこと関係なくなるんでしょうけど。」

「それにしてもシャールのギフトは、ほんとこの仕事のためにあるようなものよね。『異文化理解』なんて。」

「へへー。いいでしょ。ほんと神様には感謝だよ。本好き、知識オタクの私にとってはこれほどの送りものなんてないんだから。この世界で一番最初に異世界の知識を知れるんだよ。てか、ケーナの『空間魔法』もケーナの仕事にぴったりだと思うけど。私だって時空の間に無限に物をしまったり、遠くの国に転移したりしてみたいわよ。」

「まぁ、シャールの言う通りよね。ほんと神様には感謝しないとね。こんなに素晴らしいギフトをさずけてくれたことに。まあ、それはいいとして、食料とかはあなたの家に着いてから出すつもりだからとりあえず家まで行きましょうか。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おはようアッシュ」

「ケーナだ、おはよう」

「ねえ、シャール、アッシュはなんて言ってるの?」

「ケーナが来てくれて喜んでるわ」

「『異文化理解』で、精霊の声まで理解できるんだから、ほんとギフトって応用の範囲が広いわよね。にしても、あなたの部屋はいつ来ても本であふれてるわね。」

「まあ、ギフトの研究については、魔道都市のお偉いんたちにまかしときゃいいんじゃない?本の多さについては仕方ないでしょ。先代やその前の代の『異文化理解』の使い手達が残した記録もあるからねえ。食料はいつもどおり倉庫に送っといて、それで今回の本を早く見せてよ」

「はいはい、焦らないの。本は逃げたりしないんだから。これよ、いつも通り期限は2週間って言いたいところだけど、初めてつながった異世界のものだから社長は1ヵ月かけていいって言ってたわ。報酬はいつも通りよ。異世界文化研究の第1人者さん。」

「もう、その呼び方やめてよ、私はただ、新しい知識が欲しいだけなんだから。分かったわ、1ヵ月あればこれだけ分厚い本でもまとめ切れると思うわ。さっそく読んじゃおう。」

・・・・・・・・・・・・


「あー、もう自分の世界に入っちゃった。こうなったらアッシュ以外邪魔できなあからなあ。アッシュ、私は帰るからケーナに伝えといてね。あと、ご飯だけはしっかり食べさせるようにしなさい。じゃあ2週間後にね。」

「にゃー、にゃーお」

「ほんと、これでもシャールとは会話できるんだから『異文化理解』って本当に便利なギフトよね。じゃあ私は帰るとしますか。」



投稿はゆっくり不定期ですが、どんなに遅くなっても失踪だけはしません。

誤字脱字等あればご連絡ください。

面白い小説を知っているという方も是非教えてください。

あと、この小説内でなろうに連載されてる小説の名前って出していいんですかね?

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