噛ませ犬は、主人公になれない……
完全新作! 魔王を倒しに行ったら肥料にされて死んだ。を見てくださる皆様! ありがとうございます! 飽きずに、最後まで読んで頂けると嬉しいです!
――とても気持ちがいい……膝枕の感触、ずっと寝ていたい……俺は何でここにいるんだ? そうだ、思い出した! 俺は、異世界転生したんだった!
「あら、起きたのね。彰」
そう、俺の名前は濱田 彰。
これから魔王の森を攻略しに行くのだ。
そして、俺に声を掛けてくれた膝枕美女! メリーザさんだ!
オレンジ色の髪にドレス、二丁のマシンガンを装備している。
職業はガンナーで、アクロバットな攻撃で敵を仕留める、超絶美女だ!!
今やそんな彼女も、俺のパーティの一員だ。
「彰も起きたし、行きますよ。」
無表情でクールなショタボーイ、ベータ。
水色の髪に執事服、短剣を装備している。
素早い攻撃で敵を仕留めていく、職業はアサシン。
「え~もう行くのぉ〜」
マイペースな彼女は、マリーナ。
茶色い髪にワンピース、装備は短剣、職業はシーフ、俺のアイテムを盗み出す時に捕まえた。
アイテムを使って、素早く皆を回復してくれる。
こんな魅力的なメンバーを、一話目から揃えてる俺のステータスを知りたい? うーん、そんなに知りたいなら教えてあげよう!
破壊の神々に鍛えられし、伝説の剣! ソード オブ シヴィライゼイション を転生時に渡され!
破壊の神々に護られし、伝説の鎧! アーマ オブ シヴィライゼイション を転生時に渡され!
職業は、勇者! THE☆主人公だ!!
「さて、皆で魔王さまを倒しに行こうぜ!」
「オーーーーー」
長い説明のあと魔王の住む、魔王の森への攻略が始まった――
「――さあ、見つけたぜ……魔王!」
案外、あっさりと見つかった魔王は、怒りの眼差しでこちらを睨んでくる。
「貴様らが、我が森を汚染せしとする、害虫どもか!」
「ああ! そうだぜ魔王! だが、あんたも文明の発達を邪魔する害虫なんだよ!!」
魔王の叫びに、反論する彰。
「自然に感謝出来ぬ、害虫が! ――ここで我が森の肥料となるがいい! ククノチ!!」
すると、魔王の後ろから巨大な龍が現れる。
「召喚獣か、喰らえ! 我が斬撃を!!」
だが、刃は通らない。
「――イフリート」
魔王の言葉と共に龍は燃えだし、炎の魔獣に姿を変える。
「グアァァァァアアアア!! アヅイ! アヅイ!」
鎧でも凌ぎ切れない炎、苦しみもがき出す彰。
「アキラァ!」
叫び声と共に、ベータ、メリーザからの一斉攻撃を喰らうイフリート、彰は離されマリーナによって回復する。
「おい、おい、強すぎだろこんなの……美少女達とのハッピエンドストーリーの筈だろこれ!?」
「感謝を忘れた貴様らなど、死ね――」
冷酷に言い放つ魔王、そして彰達は業火の炎に包まれる!!
「いやだぁ……しにたくないよぉ……おかあさん、おとうさん……アヅイ、アヅイ!!」
文字通り、森の肥料になった彰達、雨が降り始めイフリートが消えていく……
イフリートの炎によって何も無くなった地面から植物が生えていく、急速な勢いで成長していき、森は元の姿を取り戻す。
呆気なく死んでいった、彰達はこの物語の主人公では無い!! ――この物語の主人公は、魔王なのだ
東方仮面録が消されてしまったので、魔王物を書いてみました! この話を読んでくれて、次回も読みたい方は、是非是非! 次回を楽しみに待っていてください!