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カミサマワールド

「おい、お主大丈夫か?」


上を見上げると、そこには心配そうに俺を見つめる人影があった


「はい、大丈夫ですが、、ここはどこでしょうか?」


 俺に声をかけてきたのは、少々小柄な女の子であった、肌は日焼けした感じの褐色、髪の色は限りなく白に近い茶色でサイドテール、目は綺麗な青で耳は、、、エルフっぽい耳で、服装はインバネスコートというのだっけかな、少し古めかしい感じだ


「何処って言われても、私も実はわからないんだよね」


髪の毛を少しいじりながら困った顔で返答してきた、少し頭のなかを整理する


①ここは俺の部屋ではない ②目の前の女の子は人ではない 

③さっきまでは夜であったのに今は夕方


「う~ん、、、血判で出血ししてここは死後の世界かな?」


全くくだらない人生であった、まさか血判で出血死とは、、、最後に冷蔵庫の芋羊羹、食べておけばよかったな


「主大丈夫か?涙流しておかしな事言って、頭打ったのじゃないか?」


さらに心配そうに声をかけてくる少女


「いや、血判で人は死なないぞ?指落としたってそんな可笑しな事にはならぬ」


そう言われて指を見ると傷はなかった、と言うか服の袖が見たことのないひらひらな袖である、腰には聖書が掛けてある、、


「あの、俺何に見えますか?」

「なにって人間」

「いや、職業」


そう言うと少女は少し考えてから手をポンと胸の前で叩いて答えた


「そうそう、西洋の方の教会の、神父ってやつに見える!」


 少しずつだが現状が飲み込めてきた、俺は片刃ではなくカタハである、この姿は明らかにゲームのキャラだし、そう言われると魔法も使える気がする、つまりここはゲームの世界かゲームのキャラで見知らぬ場所に来ているかということになる


「えっと、君名前は何って言うの?」

「私は雪華だ、主は?」

「俺はカタハっていうんだ、実のところここが何処だが全くわからない迷子だ」


そう言うと雪華は頬を上げて俺に提案してきた


「共に街を探さないか?、私も寝すぎて少しココらへんのことがわからなくてな」

「寝すぎた?」


つまり、居眠りしてる間に地形が変わったということであろうか、、、


「そうそう、私ってな、神様なんだよ、神って言うのは時間が膨大にあるもんだから、少し居眠りをしていたら軽く100年ほどっ経っていてな」


突如雪華が神様宣言をしてきた、しかしこの状況だ、もはや驚かない


「そ、、そうか、しかし100年寝るって神としては普通なのか?」

「いや、ありえないことだ、どれ位ありえないかというと、信仰が消えてほぼ神としての能力が使えないぐらいにやばい」

100年間寝て信仰を失った神様、、、ああ、この神様ダメな神様だ

「ま、まあ旅は道連れというし、一緒に街を探そうか」


俺がそう言うと笑顔で雪華がうなずいた


「ああ、よろしく頼むよ!」

==============================

街を探す道中、俺は色々と確認をしてみた

Qまずヘルプとかメッセージとかゲーム終了をするシステムコマンドが使えるか

A全く使えない

Q自分の能力値を見るスキルチェッカーコマンドは使えるか

A使える

Qアイテムをしまうボックスコマンドは使えるか

A使えない

Q相手の情報を見るチェックコマンドは使えるか

A見えるのは自分の知っている人だけ


 ゲームと異なる点がある以上、ここは完全なゲームの世界ではないのが分かった、しかし一部コマンドが使えるということは関係はあるようだ。


「しかし、こんなにここらへんこざっぱりしていたかな」


 雪華が周りを見ながら周りの変わりようについて感想を述べる、周りは完全な草原で、季節は夏後半といった所であろう、


「ところで雪華って何か趣味とかあるのか?」


雪華が腕を組みながら答えた


「睡眠と放火だな」


放火が趣味の神様が隣りにいるというのは何とも恐ろしい


「放火って何してるんだよ、、、」

「燃えている建物とかって見ていて楽しいじゃないか、まあ今は力が足りなくて全然ダメだけどな」


 クスクスと笑いながら放火について語るさまは神様というよりも、、、テロリストだ、


「俺には火をつけるなよ?」

「失敬な!流石にそこまで常識ないわけではない!」

「放火趣味な時点で常識なんてねえだろ!」


下らぬ言い争いをしていると何やら街のような物が見えてきた、


「おお、雪華!街が見えるぞ!」

「本当だ!私あの街についたら美味しいご飯を食べるんだ!」


不吉なフラグ、そのフラグは見事的中し街目前で目の前にオーガが現れて


「、、、どうするよ、雪華さん」

「何とかできる?カタハさん」


目の前のオーガはこちらを睨みつけている、動けば攻撃されそうだ


「何とかできるって言われても、俺は回復しかできません」


 いくらレベルが高くたって俺は一つも攻撃魔法を知らない、逃げるようのアイテムにしたってこの世界で通じるか不明、かなりこの状況は好ましくない


「くそ、、、一か八か!」


俺はメニューを開いてアイテムを出そうとする、しかし


「あ、、、メニュー開けないんだった」


オーガは手に持った棍棒を今にも振り下ろそうとしている


「、、、よし、雪華、走って逃げるぞ!!」

「はぁぁぁぁぁ!?」


 俺達は走った。二人共の頭はからっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな化物に追われながら走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、俺達はは疾風の如く街に突入した。


「君たち!!何やっているんだ!こっちに来なさい!」


 そうして般若の形相の検問官に捕まって見事事情聴取を喰らった

==============================

 検問官の熱い説教を切り抜けて街に入った、そこはクロックワールドと同じような中世ヨーロッパを意識させる町並みである、しかし露店が並んでいるのが少しゲームとは違った


「うわぁ~、綺麗だな~」


 俺は思わず息を飲んだ、ゲームとは何か違った少し不思議な感覚がたまらなかった


「わ、、、私の記憶と違う!」


 雪華がカルチャーショックに浸っている、1世紀って俺の世界で言えば大正時代終盤程度だ、100年経てばだいぶ変わるものだ


「で、飯を食べようじゃないか!、な」


 雪華が食事を催促してくる、しかしこの世界の通過を持っていない、もしかしたらゲームの通貨が使えるかもしれないが、ボックスが開けない以上持ってる金はたかが知れている


《カラン》


足元に銀貨が落ちてきた、その銀貨はゲームと一緒のクロック硬貨、つまり、、、


「兄さん、それ拾ってくれ!」


若い男が走ってきた、硬貨の持ち主だろう


「ああ、はいこれ」

「有難うね!」


 俺は懐から麻袋を出す、麻袋には金貨45枚と銀貨12枚、ゲームでは買い物するたびにボックス開くのが面倒くさくて懐に入れていたものだ、俺は思わずにやけてします、実のところ俺も空腹だったからだ


「よし、酒場で酒と肉を食おう!」

「やったー」


 雪華は満面の笑みで喜んだ、街を歩いて4分ほどで酒場に付いた、酒場ではこの世界の冒険者と思われる者たちがわんさかいる、やはり酒場の立ち位置はゲームと一緒だ、酒場は2階建てでかなり騒がしくみんな食事や酒をとっている


「さて、ビールでいいな、後は軽くパンと山羊肉でも頼むか」


 店員に酒と肉を頼むんで、そのへんの席についた


「さて、じゃあここからが本題だ、この先どうする?」


 俺はこの世界に来た以上ここで生活をしなければならない、それ故まず職を、次に生活手段をしっかりと考えなければならない


「私は喰わずとも死なぬ身だったんだが、力弱まりすぎてこのザマだし、そうだな、魔物退治なんかどうかな、オーガとかじゃなくてスライムとか簡単なの」


たしかに、身元不明の身としては最も良い手段だ


「うん、そうだな、明日から簡単な依頼でも受けてみようか」

《ガン!》


隣で何やら揉め事が起きている、大柄な男がいやらしい感じで何かやっている


「なあ、姉ちゃんちょっとだけだって~、いいだろ?」

「触るな言うてんねん!いてこますぞ!」


ゲームではよくあったセクハラ系の揉め事、ゲームであれば周りが大体助けてくれたものだが、この世界では誰も助けにはいかない


「この小娘が!調子にのるなよ!」

「ああ!!もうムカついた、あんた今すぐ天の国までおくったるわ!!!」


セクハラされている女性は魔道士の身なりであり、髪の毛は茶髪でショート、手には【力学の杖】を持ってい、、、


「雪華!伏せろ!」

「な、なんだ!?」


慌てて雪華をテーブルの下に避難させて俺も机の下に行く、あれはクロックの武器、ということは彼女は、、、


《ドガン!!!!!!!!!!!》


次の瞬間、店内は大きな爆発音と共にグチャグチャになった。


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