再開と秘密と
「ー滅ぶ王國に花束をー用語辞典」
【空の一族2】
ある一定の円を描くように飛行・移動している一族。飛行戦艦1隻・飛行空母1隻・飛行軽巡2隻・飛行駆逐艦4隻・飛行工廠艦1隻で艦隊行動をしている。ハーピーと人間のハーフとかグレムリンと仲の良い人間などと噂されているが、本当は今はなきある王國の国民である。龍翼機など飛行技術に特化している。
見つかった。銀色の機体の中に一機。黒い機体に真っ赤な太陽。
そう、彼女のヒーローの『相棒』。
この機体とパイロットがこの「空の一族」だという確証は無かった。しかし、確かに此処に存在している。
…
で、ヒーローは?
「えっと、この機体のパイロット知らないですか?」
空の一族であろう格好の細身のおじさんに聞いた。
「20代でおじさんとは失礼な」
え…、すいません。
「うむ…あいつはあそこでガキ共と戯れとるぞ」
「そうですか!ありがとうございます!」
リネは駆け足でその場所へむかった。
そこからは子ども達の元気な歌声が。
そのパイロットも歌っていた。
顔は見えない、いや見れない。
「しゃーぼんだーまーとーんだー
やーねーまーでーとーんだー
やーねーまーでーとーんでー…」
「こーわーれーてーきーえーたー」
いつの間にかリネ自身も歌っていた。初めて
聞くはずなのに、何故か懐かしく愛おしかった。
リネの声が届いたのかパイロットは歌をやめ、リネの方へ歩いていった。
「はじめまして、お嬢さん。秋風 海月と言います」
彼はにこやかに挨拶をし、軽く頭を下げた。
「え…あ…はじ…はじめまして…えっとリネです」
カチコチになりながらも挨拶をする。
そんなリネに話しかける。
「いい歌だったでしょう。祖国で歌われていた歌なんです。子ども達は覚えるのが早いですね、一回歌っただけなんですが。」
黒髪、黒い目、すっとした背筋、整った顔───
東洋の人だろうか。
「え…えっとあの時はありがとうございました!」突然お礼をするリネ。
「あの時ですか?あぁ、あの時の女の子ですね!」
「覚えていてくれたんですか?」
「村の方々全員助けられなくて…申し訳ない…」
逆に謝られて、戸惑うリネ。謎の空気。
話題を変えよう。そうリネは思った。今思えば彼は自分と同い年位だ。なら、飛行機に乗ってた頃はまだ子どもだったのか?
思いっきり聞いてみた。
「今、おいくつですか?」
彼は頭をあげ答えた。
「何年でしょう。90…くらいですかね…」
「「ええええぇぇぇえええ!」」
子ども達も含む会話を聞いていた人達(空の一族以外)は驚いた。
「驚きました?」
ちょっと照れくさそうにいうお爺…ちゃん?
「は…はい!」
「もっと先に驚くことがあるだろ?」
後ろから声が。レジスタンスのボスの右腕、アレキスである。
「何故此処に空の一族がいるのか…だろ?」
「あっ、そう言えば!」
「そう言えばってお前なぁ…あいつら共同戦線を組もうって言ってきたんだ…最初は信じれなかったけど、本気らしい…あと今まであいつらがやってきたっていう悪事は全部嘘だと分かった」
「じゃあ誰が…」
「からくり…らしい…のっぺりとした巨大な機体でな…あいつら…特にお前と喋ってたやつの機体とそっくりなんだと…そいつについてる棒を束ねたようなやつや勝手にとび爆発するやつで攻撃してくるんだ…詳しくはやつからきけ…じゃあな」
「は…はい」
会話を終える頃には5時の鐘がなり、日は傾いていた。
夕食後。リネは秋風名乗る青年に会いに行った。彼は自分の機体をぼうっと眺めていた。
彼は話しかけなくても自分で話し始めた。
「私は空の一族と言いましたがあれは嘘です。そして敵の事も幾つか知っています。」
そんな感じはしていた。プロペラやエンジン音、そして見たことのない機銃や聞いたことのない童謡。彼はもしかしたら…
「はい、貴女が思っている通り私はあちら側の人間です。」
「じゃあ…何で!」
「長くなりますが…聞いてくれますか?」
「は…はい…」
はいしか言うことはなかった
…
‥
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