総員戦闘用意
「ー滅ぶ王國に花束をー用語辞典」
(新人類)
十年前の戦争で魔王軍と手を組み、國々を滅ぼしていった者たちを指す。自動小銃や手榴弾などで武装している。主人公達とは違い、科学中心の文明に生きている。目的は不明。
部屋を出たリネは"日課"をしに足早に室内射撃練習場に向かった。
ここは対魔王・新人類レジスタンスのアジト。ここで活動している者の大半は故郷の村・國を滅ぼされている。彼らは魔王・新人類連合軍から独立し連合王國を築こうとしているのだ。
「うおぉーい、おはよーリネちゃん。今日も可愛いねぇー!」
足早を超えてもはや走っているリネに向かった声をかける中年小太り男。
「…」
そして少しも表情を変えず素早く立ち去るリネ。
「んあー!無視したー無視は嘘をつくのと同じくらい悪いことなんだぞ!もぅ村長プンプンなんだからね!」
この村長名乗る中年小太り男はこのアジトの中でも屈指の変態である。
おいてかれた彼は新人類がおいていったであろうタバコに火をつけた。
「まぁた村長って言っちゃった…フゥー…俺の村はこの地上にはもう無いのに…」
その言葉を発した顔はとても悲しい表情をしていた。
バタン!
扉をしめる音が早朝の室内射撃練習場に響く。
まだここにはリネしかいない。目隠しをし、的に一礼。
「お願いします───」
その言葉を発した後、5秒で敵が持っていたvz.58なるアサルトライフルの安全装置を外し構えた。
シュタン!シュタン!シュタン!
三発の弾丸を撃ち込むと目隠しを取った。
どれも的であるフライパン・鍋の中心を撃ち抜いていた。
そのままリネはマガジン内の弾丸を空にした。
「ありがとうございました。」
そう言ってリネは室内射撃練習場を後にした。
日課を終えたリネは朝の集いに向かった。すでに仲間が5人くらいいた。
1人が声をかける。
「今日は遅めじゃん」
「そんなもんだよ」
「今日はなんでもドナウェル村とその周辺の制圧、そして"空の一族"への攻撃をやるらしいぜ」
「ふぅーん」
空の一族───
それは昔から空を支配していた飛行艦隊と1つの浮遊島の総称である。
“ドラゴンを殺し尽くし、世界を焼く軍隊がいつか現れ、我々を滅ぼすであろう。”
という古代の予言の書を信じた地上の人々は彼等を攻撃した。それは今も続いている。
そうこうしているうちに10分くらいが立ち、レジスタンスの全員がアジト内の広場に集まった。
1人の男が壇上にあがる。
「おはよう我が同志、我が戦友。我々は今日、ドナウェル村周辺の解放・空の一族への攻撃を行う。敢闘し、名誉ある死を遂げた友の屍を越え、沈む夕日に我が連合王國の旗を…勝利と栄光の旗を掲げようではないか!」
「おぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」
いろいろな感情の混じった声が広場に轟く。
「各員戦闘用意!出撃する!」
4・5人で班を作り、バラバラにアジトを出る。
「リネ、そんな装備で大丈夫か?」
何処かで聞いたような台詞が聞こえた。
その問にリネははっきりと答えた。
「大丈夫だ…」
問題無い。
読んでくださった方ありがとうございました!3話目でようやく戦闘です。文にまとまりのないような…(・・;)
そろそろヒーローが登場するのでご期待下さい!!