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8話

”マジ耳聡みみざとい”の術をって、あれこれ聞き耳を立てた所によると

”3デナリ”と言うのは中々の金額で間違いないようだ

それを握りしめ、飯屋の前に立つ


出されたのは”一本うどん”なるものである

椀の中に白く太い物が長々と、とぐろを巻いている

これは小麦粉を練ってこしらえる”麺”と言うものであって

これに、すりごまと”正油”なるものをかけて食すのである


「うんめぇなア」


その、熱くコシのある物をフハフハ言いながらかじ


「うんめぇなア」

「うんめぇなア」


たちまちに完食である、多年にわたり、その辺の物を拾って食べる

暮らしを続けてきた利吉にとり

これは至上の美味であってしばし忘我のていとなる


「こげな、うめえモンがあんなら、外に出て良かったべなあ」


と独りごちる、やがて、世界に音が戻ってくる

今更ではあるが、ここは飯屋の只中ただなかであって実に騒がしいのである

何か良い話でもないかと聞き耳を立てていると

通りの向かいの酒屋の二階の部屋より、”証”の語がれてくる

無論、利吉にとり、このぐらいの距離と壁とは無いも同然なのである


「ええー、セヌウ王の使いが追い払われたって、言うのかい?」


「そうだよお、王の証のギザギザが1ピコメーター合わないとか

何とか、難癖を付けて追い払ったんだよう」


「細けえなあ・・・」


「そんだけでねえ、こん前は、冒険者もみんな追い払われただ」


「冒険者の証があっても、だめだったのかい?」


「んだんだあ」


「あの村長の他所者嫌いも此処ここまで来ると

あやかしか何かに取りかれたのに違えねえ」


「違えねえ、違えねえ」


利吉はニンマリと笑みを浮かべた


”冒険者の証があってもだめだったのか”と言うことは

”冒険者の証”なるものが有れば大抵の場所には問題無く入れる

と言う事だろう


これは、良い事を聞いたのやもしれぬ

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