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7話

短躰たんくの男についていくと

そこは城門の脇である

薄汚れた男たちが数十人、たむろしているのである

中より一人が進み出て、短躰たんくの男に声をかけた


「うん?、一人だけかあ?」


「そうやわいね、大喧嘩でなあ、みんな逃げちまったわいね」


「まア、こういう時もあるさね」


利吉がその集団に加わると、時を置かずして城門が開き

馬車が雪崩なだれ込んできた、随分な数である

数十両はあるだろうそれが、門と街並みとの間に次々と停まっていく

その中に一際目立つものがある、あれやこれや飾り立てた

実に派手な馬車である、その中より、女が身を乗り出した


ゴテゴテとした服を着て、そのFaceにペンキを塗りたくった

Ultraケバい女である、脇より盆のようなものを出し

その中身をザアッと辺りにぶちまけた

見れば焼き菓子のようである


「町の外れのゴミ溜めの、惨めで哀れな塵芥ちりあくたさーん達

あなたたちが一生かけても、ありつけない、SpecialでRichな

Sweetを恵んであげますわぁ」


男たちは、その面上に憎悪ぞうあくの相を浮かべ、プルプル震えながら

その女をにらみつける、誰もが、その焼き菓子には目を向けまいとしていたのである

だがしかし、その男たちと、かの馬車の間にて

一人の者が地べたを這いずり回りて、焼き菓子を摘まみ上げ、摘まみ上げ

口に放り込んでいるのである


無論、利吉である


「うんめぇなア」

「うんめぇなア」


魔人”利吉”が誕生してよりいく千年、永遠とも思える

歳月としつき何処いずこかへとプライドを置き忘れてきた感のある利吉は

こう見えて大の甘党でもあった


「この表面の層のサクサクとした食感の小気味よさと

その下の、しっとり滑らかなLaiyerからあふれ出る糖蜜の上品な甘味

散りばめられたナッツの香ばしさと干し葡萄ぶどうの甘酸っぱさとの

絶妙なMariage」


感激のあまり、利吉は一人で何かをしゃべり始めているのである


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