表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/547

93:ベリルの持つある優れた力

「ああ。その時が来たら必ず」


ベリルは胸にキスを落とした。

その瞬間、力が抜け、意識も緩み、快感の波に飲み込まれる。


ベリルは胸にキスを落とし続けているが、それを感知できなくなっていた。


懸命に快感を抑え込む。

話がそれて、ベリルはまだ質問に答えてくれていない。


「なあ、ベリル、はぐらかさずに教えてくれよ」


「うん……どうしようかな」


ベリルが首に顔を近づけた。

また吸血されてしまう……。


そう思ったが首筋にキスをされただけだった。

キスをされただけ、で、あったが、それはとんでもない興奮をもたらす。


自分でも信じられないような甘い吐息を漏らしていた。


ベリルはその吐息に気づき、目を細めている。


「ヴァンパイアは優れた聴力を持つんだよ、拓海」


「え」


そう思った瞬間に吸血されていた。

快感に貫かれている俺に、ベリルは話し続ける。


「私の聴力は特に優れていて、一度聴いた声を忘れなかったし、その声を追跡トラッキングすることができた」


返事をしたいが、快感を抑えるので精一杯だった。


「ただ、追跡トラッキングできる範囲はそう広くはなかった。だが私は魔力を使い、その範囲を広げた。使う魔力量によるが、最大でこの国全体をカバーできるまでになった」


ベリルの唇が首筋に触れる。


反射的に次の吸血がくると思い、必死に今荒れ狂っている快感の波を沈めようとした。


だが吸血はなく、代わりに肌を思いっきり吸われただけだった。


物理的に肌が感じた刺激で意識が緩み、快感の波に一気に飲み込まれる。


「私はあの日、リスのようなくりっとした瞳でグリーンのニカブを纏っていた小柄な少女と、黒い瞳で濃紺のニカブを纏った女性の声を覚えた。もちろん、ゼテクの声も。そして可能な限りの範囲で、追跡トラッキングした。


するとブラッド国内で検知することができた。国外へ逃れず、国内に留まっていることが分かった。拓海をさらうための次の機会を待っていることも判明した。だからその声を定期的に追跡トラッキングし、何をするつもりなのか様子を見ることにした」


快感に飲まれつつある俺の耳には、ベリルの声だけが聞こえている。


「名前や家族関係などすぐに分かった。まさか私に聞かれているなんて思わないからな。彼らはペラペラとなんでも話してくれた」


ベリルが再び首筋にキスを落とした。

でも快感に飲まれ、キスの感触を認識できない。


「私がホリデーシーズンを別荘で過ごし、そこにキッチンカーを招いて料理を招待客にふるまうという情報を、ゼテク達は知った。街ではどの店がキッチンカーを出すかで大賑わいになっていたからな。この情報を知るのは簡単なことだった。そしてチャンスとばかりにゼテク達がキッチンカーで乗り込んでくることを、私は知ることになった」


「……そうだったのか」


何とか快感の波から浮上して答えた。

本日更新分を最後までお読みいただき、ありがとうございます!

次回更新タイトルは

『拗ねた顔も可愛いな』他2話です。

それでは今日もお仕事、勉強、頑張りましょう。

明日のご来訪もお待ちしています‼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●第2回ドリコムメディア大賞●
●一次選考通過作●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇
『【完結】断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇』もおススメです☆

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
『悪役令嬢は死ぬことにした』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ