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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作続刊7/1発売:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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89:ベリル、突然何を言っている⁉

「拓海、私と一緒に来い。父上とオンラインで話す」


ベリルはいつの間にか着替えている。


裾が広がる、真っ白な長袖ロングワンピース姿だった。


丸首に開いた襟元には、フワフワの白い毛が背中の方までぐるりと飾り付けられている。同じように左右の袖口と、裾にもフワフワの白い毛で飾られていた。


雪のような白さと、バストのラインがくっきり出たそのドレスに、心臓がドキドキし始める。


そんな俺の手を掴むと、ベリルは部屋を出た。


「ベリル、俺、寝間着だけど、いいのか?」


「構わんさ。どうせオンラインなんだから」


ベリルと俺の後に三騎士が続いたが、ベリルの部屋に着くと、三人はそのまま廊下に残った。


「え、三人は?」


後ろを振り返ると……。


「父上と話すからな。外で待機だ」


ベリルは執務室として使っているらしい部屋に、そのまま進んだ。


すでにパソコンは起動されていて、俺をそばに立たせると、ベリルはすぐにオンラインシステムでロードクロサイトを呼び出す。


呼び出し音が響く中、スピエルの指摘を思い出した。


「ベリル、俺、ネックレスが」


「静かに」


ロードクロサイトの姿が画面に現れる。


寝間着の上に深紅の厚手のガウン。


良かった。

自分だけ寝間着だったらって思ったけど、大丈夫そうだ。


「ベリルか。どうした」


落ち着いた様子でロードクロサイトが尋ねる。


「父上にいくつか報告があります」


「……報告。それは吉報であるか、ベリル?」


「もちろんです」


「では聞こうか」


ロードクロサイトは机の上に両肘を置くと、両手を組み、そこに自身の顎を載せた。


「まず、拓海をさらった『ザイド』の一味を捕らえました」


「⁉ 本当か、ベリル? ウルフ王国に逃亡したと思っていたのだが……」


「いえ、ブラッド国に潜伏していたので、泳がしておきました」


「ほう……」


「この別荘への潜入計画を立てていたので、ひとまず騙されたフリをしました」


⁉ 騙されたフリ⁉


ロードクロサイトは眉をくいっとあげたが、そのまま黙っている。


「拓海をさらったその後を追い、捕えました」


「拓海をおとりにしたわけか」


「囮、というか、『ザイド』を手中に収めるのに拓海は大いに活躍してくれました」


「活躍……?」


ロードクロサイトが身を乗り出す。


「父上、私は体裁のために、クレメンスと婚約者しますが、彼とは結婚しません」


「な、ベリル、突然何を言っている⁉」


「婚約者候補を集め、ホリデーシーズンをつぶし、婚約者が決まらなかった、ではレッド家としてメンツが潰れますよね? ですからクレメンスとの婚約発表を、落としどころにします。でも結婚をするつもりはありません」


「ベリル、待て、そなた……」


「まずクレメンスとの婚約を発表し、その後、私は帝王学を学ぶため、旅に出ます。そしてその旅から戻ったら、クレメンスとの婚約を解消し、レッド家の次期当主の座から退くつもりです」


「ベリル!」


ロードクロサイトが立ち上がったが、ベリルは話し続けた。

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