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完結●異世界召喚されたら供物だった件~俺、生き残れる?~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【Episode1】死亡フラグ遂行寸前編

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85:つけいる隙があるはず

「そうさのう。ただ言えることは、ベリル嬢はレッド家の次期当主のはずじゃ。純血主義のレッド家が、次期当主の結婚相手に、純血種以外を選ぶとは考えにくい。ということは何かあるのではないかと思うとる。そこにつけいる隙があるはずじゃ」


ゼテクは鋭い……。

そう思った時だった。

天井にドン、ドン、ドン、ドンと立て続けに音がした。


「え、何……」


リマが窓の外を見て固まった。

俺も首を伸ばし、窓の外を見た。

暗くなってきた空の下、沢山の騎士の姿が見える。


さらに金属が軋むような音がした。

ひと際大きな音と共に、後ろのドアが突然開いた。


開いたというより、ドアは強引にこじ開けられ、バン本体から外れかかっている。


「拓海!」

「ベリル」


俺に近づこうとしたベリルのルビー色の瞳が、ゼテクとリマの姿を捉え、怒りで燃えあがっている。


「くそっ」


いつの間にかリマは、シャムシールという曲刀きょくじんを手にしており、立ち上がりかけた。


だがゼテクがそれを制する。


「やめるのじゃ、リマ。もう囲まれている」


「でも師匠の魔法と私とジャマールの魔術が効かない体質(ノー・ダメージ)、レイラの暗殺術があれば……」


「リマ。『ザイド』は暗殺集団じゃ。少人数相手の隠密行動において、その力を発揮する。でも今、ここは表舞台。戦場じゃ。そして我々は少数。このような大人数相手では、圧倒的に不利じゃ」


唇を噛み、しばし黙り込んだリマは、遂にシャムシールから手を離す。


「座るのじゃ、リマ」


ゼテクの言葉に従い、リマはゼテクの横に移動し、静かに腰をおろした。


「キャノス」


「はい、ベリル様」


「ゼテクの口を封じろ」


「かしこまりました」


キャノスが手を伸ばし呪文を唱えると、ゼテクは布を口に噛まされていた。


「お分かりと思いますが、無理に口を動かそうとする、皮膚が裂けます」


キャノスが静かに告げると、ゼテクは頷く。そして自らの手で、肩に立てかけていた杖をキャノスに渡す。


リマはキャノスの言葉に、床に落としたシャムシールに手を伸ばしかけた。でもゼテクがリマの手を掴み、それを止める。


「ゼテク、こちらへ」


キャノスと共に、ゼテクはバンから降りる。


その後は一斉に騎士たちが動いた。


リマはヴァイオレットに、レイラはバーミリオンによって拘束された。ジャマールはキャノスによって取り押さえられている。その間にベリルは、俺を縛る縄を魔術で焼き切ってくれた。そしてハンカチを裂いて、手首と足首の傷に巻いてくれた。


「拓海、無事で良かった」


バンの中で二人きりになると、ベリルが俺を抱きしめる。


ベリルの体は氷のように冷たい。


今さら気づいたのだが、ベリルは昼間のサマードレスのままだった。

昨日に続き来訪いただけた方、ありがとうございます!

この投稿を新たに見つけていただけた方も、ありがとうございます‼

本日もゆるりとお楽しみください。

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